「海外の反応」が好きなのは日本人だけ? 世界各国を調べてみた

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(最終更新日:2026年9月13日)

外国人が初めて日本食を食べる。日本のアニメを見て驚く。日本の街や鉄道について語る。

あるいは、海外掲示板で日本について書かれたコメントを、日本語に翻訳して読む。

日本のネットでは、こうした「海外の反応」が一つのジャンルになっています。YouTubeには外国人のリアクションや海外の声を日本向けに紹介する動画があり、その一方で、海外掲示板やSNSのコメントを翻訳するブログ、それらを集める「海外の反応アンテナ」のようなサイトも現在まで続いています。

ただ、こうした記事を作っていると、ときどき気になることがあります。

外国人が自分たちをどう見ているのか、ここまで気にするのは日本だけなのでしょうか。

そこで、日本でいう「海外の反応」に近いものが他の国にもあるのか、Redditの投稿や実際のサイト、YouTube、さらに関連する研究まで調べてみました。

最初に見つかったのは、日本からそれほど遠くない場所でした。

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韓国にも、かなり似た「海外の反応」があった

韓国には、海外ネットの反応を韓国語に翻訳して紹介するコミュニティサイト「Gasengi」があります。

現在も「会員翻訳・海外反応」「スポーツ海外反応」といった掲示板があり、日本や中国、Redditを含む海外ネットの反応を韓国語へ翻訳した投稿が掲載されています。

形はブログというより掲示板型のコミュニティですが、「外国語のコメントを選び、自国語に翻訳して国内の人が読む」という点では、日本の海外反応サイトとよく似ています。

しかも、この文化は最近始まったものではないようです。

2014年、韓国に関する話題を扱うRedditコミュニティ「r/korea」では、「r/koreaのスレッドが、韓国ネットの話題やコメントを英語で紹介していたKoreabangのような形式で、韓国語に翻訳されることはどのくらい一般的なのか?」という質問が投稿されていました。

回答の一つは、かなり単純でした。

「かなり一般的だよ。」

さらに、韓国人だという別の参加者は、Gasengiについてこう説明しています。

「韓国では、Gasengi.comが外国語から韓国語へ翻訳する最大のサイトだと思います。」
— u/locicjou

スレッドには、自分がRedditへ書いた投稿が実際にGasengiで翻訳されていたという人までいました。

日本語の「海外の反応」という呼び方だけを見ると、日本特有のネット文化のようにも見えます。しかし、「外国人が自分たちについて何を言っているのかを翻訳して読む」という形式そのものは、日本だけではありませんでした。

さらに韓国では、外国人が韓国料理やK-POP、韓国での生活を体験するコンテンツも研究対象になっています。

では、こうした翻訳サイトが目立たない国ではどうなのでしょう。

そこで次に見たのがインドでした。

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インドでは「読む」より、外国人の顔を見る

2017年、インドに関する話題を扱うRedditコミュニティ「r/india」にこんな投稿がありました。

「YouTubeにある大量の外国人リアクション動画は何なんだ?」

投稿者が挙げていたのは、ボリウッド映画の予告編、楽曲、南インド映画、アクションシーンなど。外国人がそれらに反応し、コメント欄ではインド人視聴者が次に見てほしい動画をリクエストしている、といいます。

投稿者は、それが一時的な流行なのかと尋ねていました。

それから約9年。

2026年9月現在、インド映画や予告編へのリアクションを多く扱うYouTubeチャンネル「CineDesi」は、登録者約249万人、累計再生約24億回。同じくアメリカ人俳優二人がインド映画などへのリアクションを扱う「OUR STUPID REACTIONS」も、登録者約144万人、累計再生約11億回と表示されています。

少なくとも、一時的な流行では終わらなかったようです。

日本との違いも見えてきます。

日本ではYouTubeの海外反応動画に加えて、外国人のコメントを文字として翻訳して読む文化も残っています。一方、インドで今回目立ったのは、外国人の表情や声、驚き方そのものを見る動画でした。

では、なぜ見るのでしょう。

今回確認したインド関連のRedditスレッドでは、「外国人からの承認」や「白人からの承認」、劣等感を理由に挙げるコメントが複数見られました。

外国人、なかでも欧米人から自国文化を評価してもらいたいのではないか、という見方です。

外国人YouTuberも、インドについて扱えば大勢の視聴者が見てくれることを知り、それに応えて動画を増やしていく。

そう考える参加者もいました。

ところが、コメントを追っていくと話は少し変わってきます。

2020年の別スレッドでは、孤独なときに誰かと音楽を一緒に見ているような感覚を得られることや、周囲にその映画を見た友人がいなくてもリアクション動画なら誰かと感想を共有できる、と説明する人がいました。

2021年、ボリウッド関連の話題を扱うRedditコミュニティ「r/BollyBlindsNGossip」に投稿されたスレッドでも、以前リアクション動画をよく見ていた投稿者が、自分の場合は外国人から認めてもらいたかったのではなく、「他の人と一緒に座って動画を見ているような感じ」が好きだったと振り返っています。

その投稿者にとっては、相手が白人かインド人かも重要ではなかったそうです。

ここまで来ると、「外国人に褒められたいから見る」だけでは説明しにくくなってきます。

リアクション動画は、なぜ見たくなるのか

この感覚と重なる研究があります。

2025年に学術誌Media Watchに掲載された研究では、Jaby Koay、The Normies、Blind Wave、RTTVという4つのリアクションチャンネルについたコメントを分析しています。

研究では、リアクション動画が、自分のアイデンティティを確かめたり、ファンとして作品に関わったり、ほかの視聴者と交流したりする機会になっていることが指摘されました。

さらに、リアクションを通して他人の感情を共有するような「本物らしい感情体験」が得られることや、同じ作品や話題に関心を持つファンと一般視聴者がつながる場になっていることも挙げられています。研究者は、こうしたつながりが、人との交流が制限されたコロナ禍では特に重要だったとしています。

翌2026年には、リアクション動画を日常的に見る16人へのインタビュー研究も発表されています。

この研究では、視聴者がリアクション動画をどのように見つけるのか、なぜ見るのか、動画内で反応する人やほかの視聴者とどのように関わるのかを調べました。

その結果、動画内で反応する人への感情的なつながり、同じ関心を持つ人と一緒に楽しむような感覚、新しい作品を知るきっかけになること、さらに、ほかの人の反応や解釈を通して作品を別の角度から見たり、批評したりできることなどが挙げられています。

映画の予告編から音楽まで幅広い題材が見られており、リアクション動画との関わり方も一つではありませんでした。

ただし、この二つは「外国人が視聴者の自国文化に反応する動画」だけを調べた研究ではありません。

それでも、リアクション動画を見る理由が、単に「誰かから認めてもらいたい」というものだけではないことは見えてきます。

好きな映画を友達に勧めて、一緒に見る。

自分が好きな場面に来たとき、相手の顔が少し気になる。同じところで笑ったり、同じ展開に驚いたりすると、それだけで少し嬉しい。

海外リアクションにも、そんな感覚が混ざっているのかもしれません。

ところが、見てくれる相手が友達一人ではなく、何十万、何百万人となると、今度は作る側にも変化が出てきます。

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フィリピンでは「Pinoy-baiting」という批判まで生まれた

フィリピンには、Pinoy-baitingという言葉があります。

外国人クリエイターがJollibee(フィリピン発のファストフードチェーン)、フィリピン料理、タガログ語、音楽、観光などを取り上げ、フィリピン人視聴者を集める。特に、過剰な賞賛や大げさなサムネイルを繰り返し、フィリピン人から再生数を得ようとしているように見えるコンテンツへ向けられる批判的な表現です。

これはRedditだけで使われている言葉ではありません。

2021年には、フィリピンの学術誌Plaridelで20本のPinoy-baiting動画を分析した研究が発表されています。

この研究では、動画を作る外国人YouTuberのタイプや扱われるテーマに加え、タイトルやサムネイルなど視聴者を引きつける手法、動画についたコメントまで調べています。20本の動画から抽出した400件のコメントでは、63%が肯定的、20%が中立、17%が否定的でした。

2022年には、フィリピン大学ロスバニョス校でも25本のPinoy-baiting動画を分析した研究が行われています。

こちらでは、分析した動画に複数のクリックベイト手法が使われていたほか、視聴者が「外国人の反応そのもの」を見たくなるよう誘う「reaction bait」という手法も指摘されました。さらに、フィリピン文化を大げさに持ち上げる、ほかの文化と比較する、一般化して語るといった傾向も確認されています。

一方で、この研究はPinoy-baitingを単純に否定的なものとして扱っているわけではありません。外国メディアの中でフィリピン人を肯定的に描くことや、フィリピン人視聴者が自分たちの社会的アイデンティティを確認することにつながる可能性も指摘しています。

2026年現在もGMAやManila Bulletinなど現地メディアで取り上げられています。

2025年には、フィリピンについて扱うRedditコミュニティ「r/Philippines」でも、「最初は楽しめたが、同じパターンが増えてきた」という話が何度も出ていました。

外国人がフィリピンのCMなどに反応する。それを見た人が「次はこれを見て」とリクエストする。次の動画も伸びる。

すると、作る側も何を投稿すれば視聴されるのか分かってきます。

ある参加者は、同じ形式の動画が増える理由をこう見ていました。

「主に視聴者や登録者を増やすためだと思う。ほかの人のパターンを見て、それを真似したんだろうね。」
— u/InterestingBear9948

ただし、「フィリピンについて外国人が動画を作れば、すべてPinoy-baiting」というわけでもありません。

実際、スレッドでは地方を歩いたり、文化や工芸、地域の料理を調べたりする動画を評価する声もありました。

問題になるのは外国人がフィリピンを好きになることではなく、「これを褒めれば数字になる」という型が透けて見えるときのようです。

似た議論はインドネシアにもありました。

2022年、インドネシアについて扱うRedditコミュニティ「r/indonesia」では、インドネシア国旗を入れた派手なサムネイルや、外国人が現地の食べ物を試す動画、簡単なインドネシア語を話す動画などを繰り返すYouTuberについて質問が投稿されています。

投稿者は、この現象をフィリピンの「Pinoy-baiting」になぞらえて、自分は「Indo-baiting」と呼んでいると書いていました。

呼び方は違っても、「外国人が自国について反応する動画に現地の視聴者が集まり、それを狙った似た動画が増えていく」という構図は、フィリピンだけで語られていたわけではありません。

ブラジルやメキシコにも似たリアクション動画がある

ブラジルでは、外国人がブラジル音楽へ反応するYouTube動画と、それを見るブラジル人のコメントを扱った博士論文が2023年に出ています。

2026年にも、BrasiliandoやGringo Reageなど、ブラジル文化への外国人リアクションを扱うチャンネルが活動しています。

メキシコでも、外国人が料理や音楽、都市などへ反応する動画が継続的に作られています。

2024年、メキシコについて扱うRedditコミュニティ「r/mexico」では、「なぜメキシコ人は外国人からの承認を必要とするのか」という質問まで投稿されていました。

そこでは、劣等感や外国のものを自国のものより高く評価する「マリンチスモ(malinchismo)」、植民地時代の影響など、さまざまな説明が出ています。

一方で、「承認が必要なのではなく、単に好奇心なのでは」という反論もありました。

自分にとって見慣れたメキシコ文化を、インド人、日本人、アラブ圏の人のような遠い文化の人はどう見るのか。

それを知りたいだけだ、という考え方です。

2025年の別スレッドではさらに、外国人がメキシコを見る動画に限らず、イギリス人がアメリカに反応したり、スポーツや音楽のファン同士でも似たことが起きるという指摘が出ていました。

ここまでなら、「アジアや中南米に多い現象なのでは」とも考えられます。

ところが、ヨーロッパ側を調べてみると、それも違いました。

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オランダ人も「なぜ外国人のオランダ動画を見てしまうのか」と聞いていた

2019年、ヨーロッパ各国の人に質問できるRedditコミュニティ「r/AskEurope」に、オランダの投稿者がこんな質問をしています。

外国人によるオランダ旅行動画のコメント欄がオランダ人だらけになることを、自分たちの「妙な、正直ちょっと恥ずかしい習慣」と表現したうえで、他のヨーロッパの人たちにも「外国人が自分の国をどう思うか気になるのか」と尋ねたのです。

コメント欄を見ると、オランダだけの話ではありませんでした。

「自分もそういう動画を見るよ。自分の故郷を別の視点から見るのが興味深いだけ。」

ポーランドからは、テレビや新聞、ウェブサイトで「外国人がポーランドをこう評価した」といった見出しをよく見るという話が出ました。

それに対してポルトガルの参加者も、「アメリカの新聞がポルトガルについて書いた」「旅行先ランキングで上位になった」「有名人がポルトガルを褒めた」といったニュースがあると答えています。

ルーマニア、アイルランド、イタリアからも、それぞれ外国人による自国動画についての経験が書き込まれていました。

少なくとも今回のスレッドでは、「外から見た自分たち」が気になるという話はオランダ以外からも出ていました。

そして、その問いをさらに真正面から投げかけたスレッドがドイツにありました。

ドイツでも「なぜ私たちは外国人のドイツ動画を見るのか?」

2022年、ドイツについて扱うRedditコミュニティ「r/germany」に、

「なぜ私たちドイツ人は、外国人がドイツについて作った動画をこんなに見るのだろう?」

という質問が投稿されました。

投稿者自身、ドイツへ移住した外国人や、ドイツに興味を持つ外国人のYouTubeチャンネルを少なくとも5つ定期的に見ているといいます。

そして、そうしたクリエイターの中には、視聴者のかなりの割合、場合によっては過半数がドイツからだと話している人もいる、と書いていました。

実際、このスレッドには、ドイツについて動画を作るクリエイターも参加していました。

その人がスレッド内で公開した、当時の直近28日間のYouTube Analyticsでは、視聴地域の49.6%がドイツでした。

もちろん本人も、「ドイツから見ている人が全員ドイツ人とは限らない」と注意しています。それでも、コメントなどから大きなドイツ人視聴者層がいると感じているそうです。

では、なぜ見るのか。

答えは一つにはまとまりませんでした。

外国人に褒められると安心するという人もいれば、間違ったドイツ像を訂正したいという人もいる。

一方で、何度も出てきたのが「外からの視点」でした。

「外からの視点が好きなんだ。自分では何とも思っていない小さなことに、外国人が驚くのを見るのが本当に興味深い。」
— u/DocSternau

ドイツでは当たり前すぎて気づかなかった習慣が、外国人には珍しく見える。

逆に、外国人が自国と比較してくれれば、相手の国についても知ることができる。

そんな理由が何度も挙げられていました。

ただし、ここでも同じ問題が起きています。

「ドイツの窓」「パン」「ビール」といった似た題材が何度も登場し、しばらくすると同じ話ばかりで飽きたという人もいました。

「最初は新鮮だったが、パターン化すると冷める」という点まで、フィリピンやインドで見た話とよく似ています。

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イギリスでは「興味深いけれど、クリック狙いでは?」という声

2021年、イギリスの人に質問するRedditコミュニティ「r/AskUK」でも、アメリカ人YouTuberを中心に、イギリスのテレビ番組、歴史、文化、食べ物などへ反応する動画が増えていることが話題になっています。

投稿者が尋ねたのは、「これは興味深いのか、それとも再生数や登録者目当てで流行に乗っているだけなのか」ということでした。

コメントには、外国人の反応を見ること自体は興味深いという声がある一方、同じ内容を機械的に量産してクリックを稼いでいるように見える動画も多いという意見がありました。

ここでも、

外国人が自国を見るのは興味深い。

しかし、それが数字になると似た動画が増える。

増えすぎると、本当に興味を持っているのか疑われる。

という流れが出てきます。

Pinoy-baitingという名前こそありませんが、感じている違和感はかなり近いものがあります。

アメリカにも「外国人から見た自分たち」を楽しむ人はいる

では、世界的に映画や音楽を発信しているアメリカなら、外国人の反応など気にならないのでしょうか。

2022年、アメリカ人に質問するRedditコミュニティ「r/AskAmericans」では、「外国人がアメリカ文化へ反応する動画を見るのが好きか」という質問が投稿されています。

答えは分かれていました。

まったく興味がない、時間の使い方として退屈だという人もいます。

一方で、外国人がアメリカの何を奇妙だと思うのか知るのが楽しく、比較を通じて相手の文化についても学べるという人もいました。

また、

「好きだよ。僕らについてポジティブなことを言われる機会はあまりないし、人によって経験がかなり違うからね。」
— u/KiloLee(Virginia)

という回答もあります。

褒められる嬉しさもある。

異文化比較も興味深い。

そもそも興味がない人もいる。

こうした意見の分かれ方も、これまで見てきた国々とそれほど変わりません。

では「植民地主義」や歴史は関係ないのか

ここまで来ると、最初にインドやメキシコで出てきた「植民地経験や劣等感が原因ではないか」という説明は少し揺らいできます。

オランダ、ドイツ、イギリス、アメリカでも似た例が見つかったからです。

ただ、それなら歴史はまったく関係ないのでしょうか。

そう単純でもありません。

ドイツのスレッドを読むと、第二次世界大戦やホロコースト、戦後の記憶文化、愛国心との距離感が、外国人から肯定的に見られたい気持ちにつながっているのではないか、と考える人が複数いました。

ただし、これはあくまでReddit参加者自身の説明です。

同じスレッドには、「単に外からの視点が興味深いだけ」「他人からどう見えるか少し気になるのは自然」「ほかの国でも同じだ」という意見も数多くあります。

つまり、ドイツでも「自国固有の歴史が原因だ」という説明と、「もっと一般的な好奇心だ」という説明が並んでいました。

研究でも、歴史や社会的な序列がまったく無関係とはされていません。

2024年に韓国の外国人YouTuberコンテンツを調べた研究では、Global North(欧米など比較的豊かな国々)とGlobal South(新興国・途上国を多く含む地域)、さらに白人と黒人のクリエイターに対する韓国語コメントを比較しています。

分析対象となった韓国語コメントでは、Global North出身者が韓国文化を体験し、西洋社会へ紹介することへの好意や感謝が見られ、研究者は韓国が発展した国になったことへの誇りを確認する反応についても論じています。

研究者はこうした違いを、植民地支配が終わった後も残る文化や価値観への影響を考えるポスト植民地主義や西洋中心主義との関係から分析しました。

ブラジルの博士研究でも、外国人によるブラジル音楽リアクションをめぐるコメントから、植民地主義的な文化の序列やステレオタイプが論じられています。

一方、2026年には、外国人YouTuber5チャンネルの人気動画15本についた韓国語コメント1,500件を分析した研究も発表されています。

全体として肯定的な反応が多く、コメントに表れた主な感情には、感謝、共感、ユーモアなどがありました。

ただし、動画の内容によって反応には違いがありました。食事をする様子を見せる「モッパン」や、日常を記録するVlogでは親しみやユーモア、韓国文化を紹介する動画では尊敬や誇りが目立った一方、知識や情報を伝える動画では、内容への知的な満足度は高くても感情的な没入は弱かったといいます。

さらに、この研究の対象では、非西洋圏のYouTubeチャンネルの方が西洋圏のチャンネルより、コメントに表れる感情の強度が高いという結果も出ています。

歴史的な西洋中心主義や植民地主義は、一部の社会で「誰から評価されるか」に影響する可能性があります。

ただ、それだけを海外リアクション全体の原因にすることも難しそうです。

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好きな映画を友達に見せるのと似ている?

2026年1月、世界各国の人に質問するRedditコミュニティ「r/AskTheWorld」では、日本の投稿者が「外国人に自国を褒めてもらうようなリアクションコンテンツは、あなたの国にもありますか?」と尋ねています。

インド、韓国、フィンランド、メキシコ、カナダ、ドイツ、ポーランド、アメリカ、イギリス、フィリピンなどから、似た例があるという回答が寄せられました。

もちろん、「自国にもある人」の方が答えやすい質問です。このスレッドから、世界でどの程度普及しているのかまでは分かりません。

ただ、その中に分かりやすい説明がありました。

自分が好きな映画や音楽を友達に勧めて、相手も好きになってくれたら嬉しい。

外国人が自分たちの文化を楽しむのを見るのも、それと似ているのではないか、というものです。

今回見てきたコメントを並べると、この説明は意外と広く当てはまります。

外国人に褒められて嬉しい人がいる。

自分には当たり前のものが、外からどう見えるのか知りたい人がいる。

相手の国との違いを知りたい人もいる。

好きな作品を誰かと一緒に楽しんでいる感覚を求める人もいる。

そして、そもそも興味がない人もいます。

「承認欲求なのか、純粋な好奇心なのか」と二択にするより、同じ人の中にもいくつかの理由が混ざっている、と考えた方が近そうです。

ただ、その好奇心が「数字」になると作る側も変わる

ここまで調べて、もう一つ繰り返し出てきたものがあります。

最初は、誰かが外国の文化に反応する。

それを現地の人が見つけ、「次はこれを見て」「この料理も食べて」とコメントする。

その動画が伸びれば、クリエイターはどんな内容なら見てもらえるのか分かってきます。

やがて「初めて○○を食べる」「外国人が○○に驚く」といった型ができ、似た視聴者を狙う別のクリエイターも現れる。

これはフィリピンだけの話ではありません。

インドでも、イギリスでも、ドイツでも、「同じ動画ばかり」「クリック目当てではないか」と感じる人がいました。

YouTube自身も、おすすめ動画を決める主なシグナルとして、視聴履歴、検索履歴、チャンネル登録、高評価・低評価、「興味なし」などを挙げています。

そのため、同じ種類の動画を見続ければ、関連する動画がさらに見つかりやすくなることは公式の説明とも整合します。

ただし、「YouTubeが自国を褒める外国人動画を特別に優遇している」と確認されたわけではありません。

視聴者が見る。

作り手がその反応を見て似た動画を作る。

その視聴行動を推薦システムも学習する。

そうした循環の方が、実態には近そうです。

増えすぎると「本当にそう思っているの?」が気になってくる

同じ形式が増えてくると、今度は反応の本物らしさが気になり始めます。

フィリピンでは「少ないころはよかったが、今は同じ内容が多すぎる」という声がありました。

インドでも、最初は楽しんでいたものの、何でも褒めるリアクションが増えて興味を失ったという人がいます。

ドイツでも、同じ十数個の話題ばかり繰り返されるので見なくなったという参加者がいました。

イギリスでも「本当に興味があるのか、それともクリックのためなのか」という疑問が最初からスレッドのテーマになっています。

この「本物らしさ」は研究でも扱われています。

2023年のブリガム・ヤング大学の修士研究では、リアクションが「本物らしい」と視聴者に受け取られることが、リアクション動画を見るうえで重要な要素だと分析されています。

同研究では、カメラの前で行われる反応の真正性(本物らしさ)を、単純に「本物か偽物か」で分けるのではなく、演じられ、それを視聴者がどう受け取るかという問題として論じています。

韓国の2026年研究でも、自然な表現や視聴者との交流から感じられる真正性が、信頼や没入に関わる要素として扱われました。

外国人なら誰でも褒めてくれればいい、というわけではない。

むしろジャンルが長く続くほど、見る側にも「この人、本当にそう思っているのかな」と疑う人が出てくる。

Pinoy-baitingのような批判は、その先に生まれたものなのかもしれません。

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結局、「海外の反応」が好きなのは日本人だけだった?

今回調べた範囲では、日本だけではありませんでした。

しかも、似た現象が見つかったのはアジアや中南米だけでもありません。

韓国には、外国語のコメントを韓国語へ翻訳して読む、日本とかなり近いコミュニティがあります。

インドでは映画や音楽への外国人リアクションが長く続き、フィリピンではPinoy-baitingという批判まで生まれました。

ブラジルやメキシコにも外国人リアクションを扱う動画があります。

さらにオランダ、ドイツ、イギリス、アメリカのスレッドを見ても、「外国人から見た自国」に関心を持つ人はいました。

ただし、形は同じではありません。

日本ではYouTubeの海外反応動画がある一方で、海外掲示板やSNSのコメントを翻訳し、ブログやアンテナサイトを通じて読む文化も今なお残っています。

韓国にもそれに近い翻訳型があり、今回見たほかの国々では、YouTubeのリアクションや外国人による生活・旅行動画として現れる例が目立ちました。

「海外の反応」という一つの世界共通ジャンルがあるというより、似た好奇心が、それぞれのネット環境に合った形で現れている、と考える方がよさそうです。

そして理由も一つではありません。

外国人から評価されて嬉しいこともある。

自分には見慣れたものが、外からどう見えるのか知りたいこともある。

相手との違いを知りたいこともあれば、好きなものを誰かと一緒に楽しんでいる感覚がほしいこともあります。

今回、いくつもの国のスレッドを読んでいて妙に重なって見えたのは、「外国人の評価をこんなに気にするのは、自分たちくらいだ」と考える人が、別々の国にいたことでした。

オランダの投稿者は、それを少し恥ずかしい習慣だと書いていました。

ドイツの投稿者も、「なぜ私たちドイツ人はこんなに見るのか」と尋ねています。

インドやメキシコでは、劣等感や歴史まで持ち出して理由を探す人がいました。

ところが、それぞれのスレッドを少し外へ広げると、別の国にも似た人たちがいました。

「外から見た自分たち」が気になること以上に、「こんなことを気にするのは自分たちだけだ」と思ってしまうことの方が、案外いろいろな場所で繰り返されているのかもしれませんね。

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