ミルクティーを飲む国はどこ? 英国だけではない、世界の「お茶+ミルク」事情

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(最終更新日:2026年9月26日)

「お茶にミルクを入れて飲む国って、どこ?」

そんな素朴な質問が、世界各国の人に質問するRedditコミュニティ「r/AskTheWorld」に投稿されました。コメント欄にはイギリス、インド、カナダ、オーストラリア、シンガポール、バングラデシュなど、さまざまな国の名前が並びました。

What countries drink tea with milk?
by u/koky_205 in AskTheWorld

ところが読んでいくと、同じ「ミルクティー」でも飲み方はかなり違います。紅茶に牛乳を加える国もあれば、牛乳と一緒に煮立てたり、練乳を使ったり、さらには塩やバターを入れたりする地域までありました。

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お茶を飲む国なら、どこでもミルクを入れる?

まず出てきたのが、こんな意見です。

感覚としては「コーヒーにミルクを入れる国は?」って聞くのと同じかな。お茶が人気の国なら、どこでもミルク入りのお茶も人気なんじゃない?

— u/Toucanplaythatgame-2(エルサルバドル)

ところが、すぐにトルコから反論が入りました。

うちの国は「お茶の国」そのものだし、一人あたりではどの国よりも飲む。しかも大差でね。でも、お茶にミルクを入れる人なんて一人もいないよ。

— u/SpiritedAddition8206(トルコ)

「一人もいない」はさすがに言いすぎですが、このやり取りは世界のお茶事情をよく表しています。

トルコの文化観光省によると、同国では主に紅茶が飲まれ、二段式のやかん「チャイダンルック」で淹れ、小さなチューリップ形のグラスで出すのが伝統的なスタイルです。朝食から就寝前まで日常的に飲まれ、お茶を出すこと自体がもてなしの一部になっています。トルコとアゼルバイジャンの「チャイ(茶)の文化」は2022年にユネスコの無形文化遺産の代表一覧にも登録されました。

一方で、トルコ政府の観光サイトには、子どもが飲むものとして「sütlü tea(ミルク入りのお茶)」も登場します。ですから「トルコ人は絶対にミルクを入れない」とまでは言えません。

公式資料で紹介される典型的な日常のお茶は、ミルクを加えない紅茶です。

つまり、「お茶をたくさん飲む国=ミルクティーもよく飲む」とは限りません。

イギリスでは、やはりミルク入りは普通

一方、イギリスからは非常に簡潔なコメントが寄せられていました。

こっちではごく普通だよ。

— u/cuntybunty73(イギリス)

英国の茶業界団体UK Tea & Infusions AssociationのFAQでは、お茶を飲む人の57%が乳製品のミルクを、10%が植物性ミルクを加えるとされています。少なくとも英国で、お茶にミルクを入れることが珍しくないのは確かです。

ただし、英国でも「どんなお茶にもミルクを入れる」わけではありません。

同団体の抽出ガイドでは、アッサムやセイロンなどの紅茶は「ミルクあり・なし」の両方が示される一方、日本の煎茶や玄米茶、中国系のジャスミン茶、ウーロン茶などはミルクなしが推奨されています。

国だけでなく、飲んでいる茶葉の種類によっても話が変わるわけです。

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インドでは「あとから少し足す」とは違う作り方

インドからは、作り方そのものを書いてくれた人がいました。

うん、俺が作るやつは妻も大好きだよ。少量の水を温めて、砂糖+紅茶の粉+ティーマサラ+レモングラスを入れて沸騰させる。

そこに最初の水の3倍くらいの全脂肪乳を加えて、もう一度沸騰させる。こして飲むんだ。

— u/gobletofwine(インド)

ここでいうティーマサラは、紅茶に使う複数のスパイスを混ぜたものです。

英国で一般的な、淹れた紅茶にミルクを加える飲み方とは、かなり違いますね。

インド政府の茶業機関Tea Board Indiaも、マサラチャイをカルダモン、生姜、シナモンなどを加えたインド紅茶として紹介しています。また、在日インド大使館が発行した日本語広報誌では、マサラチャイを「インドの国民茶」と紹介し、水、牛乳、紅茶葉、砂糖、ショウガやスパイスを鍋で煮出す作り方を掲載しています。

日本で「ミルクティー」と呼ぶものに近い材料を使っていても、牛乳を最後に少量加えるのではなく、牛乳を加えたあとも茶葉やスパイスと一緒に煮立てることで、かなり違った飲み物になっています。

シンガポールでは「ミルクを入れるか」だけでは終わらない

特に面白かったのが、シンガポールのコメントです。

シンガポールでは、ほとんどのドリンクスタンドにあるよ。

Teh(紅茶)― 練乳と砂糖入り
Teh O ― 砂糖入り、ミルクなし
Teh C ― 普通のミルクと砂糖入り
Teh C kosong ― ミルク入り、砂糖なし
Teh C siew dai ― ミルク入り、砂糖少なめ
Teh O kosong ― ミルクなし、砂糖なし

こんな感じでまだまだある。tehをkopi(コーヒー)に置き換えれば、今度は別の組み合わせになる。

シンガポール人にはそれぞれお気に入りの組み合わせがあるんだ。

このお茶の注文表だけでも、3つの言語が混ざってる。

一杯の飲み物の中に文化がうまく混ざってるってことだね。

— u/kelongkia(シンガポール)

投稿者はTeh Cを「普通のミルク」と表現していますが、シンガポールで文化遺産を扱う国家遺産局の説明では、Teh Cに使われるのはエバミルク、つまり砂糖を加えずに濃縮した乳です。

同局によると、「Teh」は練乳と砂糖入り、「Teh C」はエバミルクと砂糖入り、「Teh O」はミルクなしで砂糖入り。「kosong」は砂糖なし、「siew dai」は砂糖少なめ、「peng」はアイスを意味し、好みに合わせて細かく注文できます。

また、マレー語で「引っ張る」という意味を持つ「テータリック(teh tarik)」も有名です。紅茶に練乳などを加え、二つの容器の間を高い位置から何度も注ぎ移して泡立てます。シンガポール国家遺産局によると、インド系移民によって地域へ持ち込まれ、現在では民族を問わず広く親しまれています。

単に「ミルク入りか、なし」ではなく、乳製品の種類、砂糖の量、温度まで注文名になっているのが面白いところです。

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台湾ではミルクティーから「タピオカミルクティー」へ

東アジアについては、「普通のお茶にはあまりミルクを入れないのでは」という声に対して、台湾在住者から「ミルクティーやティーラテなら、かなり多くの種類がある」という反論も出ていました。

台湾では、ミルク入りのお茶が現代のドリンク文化の中で大きく発展しています。

台湾の「国家文化記憶庫」によると、1980年代ごろ、ミルクティーに台湾で以前から食べられていた「粉圓」と呼ばれるタピオカの粒を組み合わせたことで、現在の珍珠奶茶、いわゆるタピオカミルクティーが登場しました。そこから台湾の「手搖飲」、つまり注文後にシェイクして作るドリンク文化の代表的な存在へ発展し、海外にも広がっています。

英国で紅茶に牛乳を加える飲み方とは、同じ「tea with milk」でもかなり違う文化になっています。

ロシアには塩とバターを入れるお茶も

さらに驚くコメントもありました。

ロシアのカルムイク共和国とアディゲ共和国では、お茶にミルク、塩、油、コショウを入れるよ。肉や米を入れることもある。

— u/Dazzling_Revenue5977(ロシア)

少なくとも、ロシア連邦のカルムイク共和国に暮らすカルムイク人に伝わるお茶については、かなり近い飲み方が確認できます。

ケンブリッジ大学のカルムイク文化遺産記録プロジェクトによると、伝統的なカルムイク茶「ジョンバ」には、水、茶、ミルク、バター、塩、ナツメグなどを加えます。さらに羊肉を加えたものや、炒った小麦粉、キビなどを加える作り方も記録されています。

同資料は、これを「スープにも似た栄養のあるお茶」と説明しています。

「ミルクティー」と聞いて甘い飲み物を想像していると、塩、バター、肉まで登場するのはかなり意外です。

なお、元コメントにあるアディゲ共和国での飲み方や「コショウ・米」まで同じ形で使われることについては、今回確認した資料だけでは裏付けられなかったため、ここではカルムイク茶についてのみ取り上げています。

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同じ「お茶+ミルク」でも、かなり違う

今回のスレッドを見ると、ミルク入りのお茶自体はイギリスだけのものではありません。

英国では紅茶に牛乳を加え、インドでは牛乳やスパイスと一緒に煮立て、シンガポールでは練乳やエバミルクを細かく使い分けます。台湾では現代のミルクティー文化からタピオカ入りの飲み物が生まれ、カルムイク茶になると塩やバターまで加わります。

その一方、トルコのようにお茶を非常によく飲みながら、公式資料で紹介される典型的な飲み方にはミルクが登場しない国もあります。

「どの国がミルクティーを飲むのか」という質問は簡単そうですが、実際には「その国でミルクティーとは何を指すのか」まで聞いてみたほうが、ずっと面白い答えが返ってきそうです。

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