なぜ日本のキットカットは外国人のお土産の定番に? 「知っているのに珍しい」強さを調べた

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(最終更新日:2026年9月28日)

「家族へのお土産にキットカットを買いたいのに、いろいろな味が見つからない。どこへ行けばいい?」

日本を旅行中の外国人から、そんな質問がRedditに投稿されていました。別の旅行相談でも、日本から職場へ持ち帰るお菓子としてキットカットが何度も名前を挙げられています。

日本には白い恋人や東京ばな奈、和菓子など数えきれないほどのお土産があります。それなのに、もともとはイギリス生まれのキットカットが、なぜ「日本土産」としてここまで定着したのでしょうか。

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ネスレ自身も「訪日外国人の定番土産」と説明していた

まず、本当に外国人旅行者のお土産として定番なのか。

少なくともネスレ日本は、2020年の資料で「ご当地キットカット」について、日本人だけでなく「訪日外国人観光客が選ぶ定番土産として支持されています」と説明しています。

現在の公式サイトでも、北海道から沖縄まで各地の食材や名産品と組み合わせた「ご当地キットカット」を、「旅のお土産にもぴったり」として展開しています。英語版ページも「Japan Limited KitKat: A Special Souvenir to Remember」と題し、日本を訪れる人に各地域の味を紹介しています。

Redditのお土産相談でも、キットカットは特別珍しい提案ではありません。

ご当地キットカットって、だいたいみんな喜んでくれるよ。

日本にはなぜか100種類くらいある感じで、その土地でしか売っていないものも多いんだ。

— u/EctoplasmicNeko

実際の種類数については後で触れますが、「日本旅行で地域限定キットカットを買う」という発想自体は、外国人旅行者の間ですでによく知られているようです。

「外国のお菓子」なのに、受け取る人が知っている

理由を考えるうえで、特に印象的だったコメントがあります。

日本旅行で季節限定のキットカットを買ったという参加者は、職場へ持ち帰ったときの反応をこう書いていました。

キットカットには季節限定の特別版がある。

日本から持ち帰ったら、職場の同僚たちが全部試そうとして、ほとんど取り合いになったよ。

自分の国にはないから特別だったけど、それでも十分知られている商品だから、「変わったものすぎる」という感じでもなかった。

— u/Anchaz

原文でも「特別だけれど、十分知られているので変わりすぎてはいない」という趣旨で語られています。

この「特別だけど、知っている」という部分は、日本のキットカットがお土産として選ばれる理由を考える重要な手がかりになりそうです。

キットカットそのものは日本だけのお菓子ではありません。ネスレ日本によると、現在90カ国以上で親しまれている世界的なブランドです。

キットカットを普段から知っている人にとっては、

「これは何のお菓子だろう?」

ではなく、

「キットカットなのに、なんでわさび味なの?」

「キットカットに日本酒味なんてあるの?」

という驚きになります。

知らない日本のお菓子を渡す場合とは、少し違います。

土台となる商品は知っている。それなのに、自分の国では見たことがない。この距離感がお土産との相性を良くしているのでしょう。

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日本ではこれまで450種類を超えるフレーバーが登場

そして、日本版キットカットの大きな特徴の一つが、やはりフレーバーの多さです。

ネスレ日本の2023年の資料によると、日本ではこれまで累計450種類を超えるユニークなフレーバーが展開されてきました。

ただし、これは「今、日本へ行けば450種類並んでいる」という意味ではありません。

通常商品だけでなく、過去に発売されたさまざまな商品を含む累計です。現在もレギュラー商品とは別に、地域ごとの商品などが展開されていますが、売られている商品は時期や場所によって変わります。

こうした入れ替わりも、旅行者にとっては楽しみの一つになっているようです。

ある旅行者へのアドバイスには、こんなコメントがありました。

駅にはご当地限定の味があるよ。それ以外ならドンキやスーパーかな。

新しい味を見つけても、「また後で見かけるだろう」と思わないほうがいい。欲しかったら、その場で買ったほうがいいよ。

— u/DameEmma

ほかのコメントでも、季節限定や地域によって異なる商品があるため、「全部」を一度に見つけるのは難しいという話が出ていました。

現在もネスレが北海道から沖縄まで各地の名産品を使った商品を展開していること自体は、公式ページから確認できます。

つまり旅行者にとっては、単に味を選ぶだけではありません。

「東京では何がある?」
「京都では?」
「空港では何が見つかる?」
「前に食べた味はまだある?」

という、ちょっとした宝探しにもなります。

ついには「食べるもの」から「集めるもの」へ

実際、キットカットそのものをコレクションしている人もいます。

Redditのキットカットコミュニティでは、約5年間で80種類ほどを集めたという投稿者がコレクションを公開していました。

「そんなにキットカットが好きなの?」と聞かれると、別の参加者は、

日本のキットカットはすごいよ。ストロベリー系だけでも4種類くらいある。

アメリカで手に入るものなんて、海外で買えるものと比べると退屈なくらいだ。

— u/tedmiston

と反応しています。

さらにコレクションの投稿者は、

これはもう食べないよ。飾るためだけ。

見つけたときは最低2個ずつ買って、1個を食べて、もう1個を保存するようにしていたんだ。

— u/Character-Pickle450

と話していました。

地域や季節ごとに味やパッケージが変わり、「次に同じものが見つかるとは限らない」となると、単なるお菓子から集める対象にもなっていきます。

それが、旅先ごとに違う商品を見つける「ご当地キットカット」とも相性がいいのでしょう。

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「きっと勝つ」だけでは、お土産人気は説明できない

日本のキットカットについて調べると、必ずと言っていいほど出てくるのが「きっと勝つ」という語呂合わせです。

Redditでも、キットカットの名前と「きっと勝つ」を結びつけ、試験前の験担ぎとして広まったという趣旨のやり取りがありました。

この話そのものには根拠があります。

ネスレ日本によると、九州の方言「きっと勝つとぉ(きっと勝つよ)」と「キットカット」の響きが似ていることから、受験生の間で自然に験担ぎとして使われるようになり、2002年頃から口コミで広まっていったそうです。現在では教師や家族、友人から受験生へ贈る使われ方も定着しています。

ただし、この語呂合わせがあったから外国人観光客のお土産として人気になった、と直接結びつける資料は今回確認できませんでした。

日本でキットカットが「自分で食べるチョコレート」だけでなく、誰かに渡すものとして使われてきたことは確認できます。

たとえば日本郵便とネスレ日本は2009年、メッセージと宛先を書いて郵送できる「キットメール」の販売を開始しました。2015年の公式資料でも、2009年の開始以来、受験生と応援する人々に利用されてきたと説明されています。

受験のお守りと観光土産に直接の因果関係があるかは分かりません。ただ、どちらも「キットカットを誰かに渡す」使われ方である点は共通しています。

外国人観光客にも買われる商品になっていった

2014年には、東京・池袋に世界初のキットカット専門店「キットカット ショコラトリー」がオープンしました。

ネスレ日本によると、開業から3か月間の購入者は延べ約8万人。国内外から観光客が訪れ、プレミアムなキットカットがお土産や贈答用として購入されていました。

これは、少なくとも2010年代半ばには、専門店のキットカットが外国人観光客にも土産として買われていたことを示しています。

さらに2016年、ネスレ日本は日本のキットカットの韓国への輸出販売を開始しました。

このときの公式資料では、2004年に初の和風フレーバー、2008年に「ご当地土産シリーズ」を発売したことに加え、日本旅行でキットカットを土産として購入した外国人観光客や、それを受け取った海外の消費者から「継続して購入したい」という要望が寄せられていたと説明しています。

つまり少なくともこの時点では、「日本で土産として買う」だけでなく、持ち帰った先でも日本版キットカットを再び欲しがる人が現れていたことになります。

そして現在も、ネスレは「色々なフレーバーを買って帰りたい」という声に応え、全国のご当地お土産シリーズなどを集めたギフトショップを展開しています。

Redditで「どこへ行けばいろいろな味が買える?」という質問が繰り返されるのも、この楽しみ方と重なります。

職場向けのお土産を尋ねた旅行者にも、

ちょっと変わった味のキットカットなら、どんな職場でもかなりウケると思う。

— u/ZweitenMal

という回答がありました。

別の参加者は、

そう、これだよ。私はキットカットに何百ドルも使って、いろいろな味を混ぜた詰め合わせをギフトバッグにして、みんなに配ったよ。

— u/Desperate-Upstairs76

と話しています。

複数の味を並べて、みんなで「どれを食べる?」と選べる。こうした楽しみ方も、家族や職場へのお土産に向いているようです。

ただし、昔のように「どこへ行っても変わった味だらけ」ではない?

一方で、少し気になるスレッドもありました。

以前日本に住んでいた旅行者が2026年、東京でキットカットを探して、

2009年に住んでいた頃は、コンビニでももっと変わった味がたくさん買えた。

今は大袋の商品が中心で、売っている場所も限られているように感じる。

— u/literally_lemons

と投稿しています。

本人もその後、ドン・キホーテや一部のスーパーならまだ多くの種類が見つかると追記していました。これは一人の旅行者の体験ですが、「昔と売り場の見え方が変わった」と感じる人もいるようです。

また、海外でも抹茶やストロベリーなど一部の日本系フレーバーを買えるというコメントが複数あります。

別のお土産スレッドでは、

自分の街のアジア系スーパーでもキットカットは買えるから、持ち帰ったけど、そこまで特別には感じなかった。

— u/RiverRoll

という反応もありました。

つまり、「日本のキットカットなら何でも珍しい」とは限らなくなっています。

その分、現在は日本の特定地域の商品や、その時期・旅先で見つけた味のほうが、「日本で買ってきたもの」として特別に感じられやすいのかもしれません。

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なぜ日本のキットカットがお土産になるのか

ここまでを見ると、日本のキットカットがお土産として定着した理由は、「日本には変わった味がたくさんあるから」だけでは説明しきれません。

もともと90カ国以上で親しまれているブランドなので、キットカットを知っている人には何のお菓子なのか伝わりやすい。その一方、日本では地域の名産品を取り入れた商品やさまざまなフレーバーが展開され、「知っているのに見たことがない」商品へ変わります。

さらに、ご当地商品は旅先そのものと結びつき、いつでも同じ商品に出会えるわけではないことが、探したり集めたりする楽しさにもつながっています。

日本でしか知られていないお菓子ではなく、世界各地で知られたキットカットだからこそ、「いつものキットカットが日本ではこんなことになっている」という驚きまで一緒に持ち帰れる。

それが、日本のキットカットがお土産として長く選ばれている理由の一つなのかもしれません。

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