(最終更新日:2026年10月2日)
「遠く離れているのに、自分の国と妙に似ている国はどこ?」
2026年9月、世界各国の参加者が集まるRedditコミュニティ「r/AskTheWorld」に、こんな質問が投稿されました。
What is a country from far away that you are very similar to?
by u/WhoAmIEven2 in AskTheWorld
発端となったスウェーデン人は、「静けさを好む」「秩序や整頓が好き」「内向的」「生魚が好き」「自然好き」「礼儀を重んじる」といった共通点から日本を挙げました。
そこから韓国とメキシコ、フランスとアメリカ、ベトナムとイタリア、ノルウェーとチリなど、地図を見ただけではなかなか思いつかない組み合わせが次々と登場します。
似ている理由も、性格や食文化から地形、家族観まで実にさまざまです。
スウェーデン人が最初に挙げたのは日本
まず、スレッドを立てたスウェーデンの投稿主は、日本との共通点をこう並べました。
スウェーデンなら、日本と言いたい。
✅ 静けさを好む
✅ 秩序と整頓が好き
✅ 内向的
✅ ミニマルなインテリアが好き
✅ 生魚が好き
✅ 自然好き
✅ 礼儀を重んじるもちろん、違いもあるけどね。大きな違いの一つは、上下関係に対する考え方だと思う。スウェーデン社会はかなりフラットだけど、日本社会はかなり階層的。それに、僕たちのほうがより個人主義的でもある。
— u/WhoAmIEven2(スウェーデン)
「似ている」と言っても、すべてが同じという話ではありません。投稿主自身も上下関係や個人主義を違いとして挙げています。
そして、この問いに世界各地から回答が集まり始めました。
韓国人「メキシコはかなり似ている」
韓国の参加者が選んだのは、太平洋の向こう側にあるメキシコでした。
メキシコは僕たちとかなり似ていると思う。
感情表現が豊かで、特にサッカーの試合では熱くなりやすい。勤勉で労働時間も長く、仕事に対する姿勢もしっかりしている。ただ、社会全体の治安についてはかなり違いもあるけどね。
そこまで遠くないけど、食べ物を除けばモンゴルも多少似ていると思う。
— u/Caramel_Last(韓国)
すると、メキシコ出身でアメリカ在住の参加者から、もう一つ共通点が加わります。
それに、どっちも辛い食べ物が好き! 🤝🏽
— u/Mission-Selection-63(メキシコ→アメリカ)
さらに別の参加者からは「韓国ドラマとテレノベラ」という一言も。テレノベラは、ラテンアメリカなどで広く作られている連続テレビドラマです。
生活や歴史を細かく比べたというより、「人の熱さ」「食べ物」「テレビ文化」といった身近なところから親近感を見つけているようです。
フランス人が選んだのは、まさかのアメリカ
フランスからは、本人いわく「不人気な意見」としてアメリカが挙がりました。
理由はかなり自虐的です。
不人気な意見だけど、アメリカかもしれない。
・他の国から嫌われている
・でも気にしない
・帝国主義的だと思われている
・帝国主義じゃない。ただ世界中のみんなに自分たちの考えを共有してほしいだけ
・イギリスの兄弟とは強烈な愛憎関係
・自国の文化がものすごく外へ広がっていく
・自分たちの言語しか話さない
・食べ物に夢中
・指導者選びが下手— u/Auregon44(フランス)
かなり冗談を交えた比較ですが、アメリカ側も乗ってきました。
まあ、フランスがなかったらアメリカは存在してないからね。君たちは元祖・親友みたいなものだよ。
それに、こっちの文化があちこちに進出しまくってるのは間違いない(笑)
— u/Adventurous_Ice5035(アメリカ)
ここへイングランドの参加者まで加わり、英語を「アメリカ語」と呼ぶ冗談をめぐって言い合いに発展。
国同士が似ているかという問いが、いつの間にか長年の付き合いを持つ三か国の軽口大会になっていました。
ベトナム人「料理、魚の調味料、南北差……つまりイタリア」
ベトナムから出た答えも、かなり意外です。
・世界的に有名な一流の料理
・バイクに乗る人が多く、赤信号を突っ切る
・魚を使った伝統的な調味料
・はっきりした南北の地域差
・午後に昼寝をする習慣
・公共の場所で声が大きい
そう、イタリアです。
— u/CountryAdmirable6047(ベトナム)
ところが、これを見たイタリア人からすぐに異論が。
・僕たちは午後に昼寝しないよ。
・それに、うちの「魚を使った伝統的な調味料」って何のこと?
— u/Abiduck(イタリア)
すると別の参加者が「イタリアでも昼寝をする」「魚を使った調味料もある」と反論し、今度は参加者同士で議論が始まりました。
外から見ると「似ている」と感じる特徴でも、当事者からすると「いや、それはうちの特徴じゃない」となることがあります。同じ国についてさえ、何を「自国らしい」と感じるかは人によって違うようです。
ノルウェー人が親近感を覚えたのはチリ
文化ではなく、地形から似た国を見つける人もいました。
ノルウェーから挙がったのは、南米のチリです。
なぜかチリには妙な親近感がある。
めちゃくちゃ細長い国。
サーモン養殖。
息をのむようなフィヨルドが延々と続いている。
(でも、みんな天気のいい地域に住んでる)— u/stevethebandit(ノルウェー)
北ヨーロッパと南米という遠く離れた二国ですが、地図を縦に伸びる国土、海と山に囲まれた景観というところから「親戚感」を覚えたようです。
人の性格ではなく、国の形そのものから仲間を見つける回答です。
クロアチア人「アルゼンチンかな」
クロアチアからはアルゼンチンが挙がりました。
こちらは地形ではなく、人付き合いや食文化です。
アルゼンチンかな。
家族の強いつながりと集まり
サッカー好き
カフェ文化
食べ物が社会の中で大きな役割を持っている
カトリックの伝統
余暇を大切にする
アサード/ロシュティリみたいに、火を囲んで大がかりにやるバーベキュー
おもてなし— u/DoryTheGray(クロアチア)
アルゼンチンの「アサード」と、クロアチアなどバルカン地域で食べられる「ロシュティリ」。料理そのものが同じというより、肉を焼くことが家族や友人との集まりと結びついている点に共通性を感じているようです。
これには別の参加者からも、「アルゼンチンは東・中央ヨーロッパと共通するところがありそう」という返信がありました。
ニュージーランドで「ここがどう動くのか分かる」と感じたアイルランド人
チェックリストを作るのではなく、実際に訪れたときの感覚を語った人もいます。
アイルランドの参加者が挙げたのはニュージーランドでした。
私もニュージーランドって書こうと思って来た。地理的にはこれ以上ないくらい離れているのに、初めてニュージーランドへ行ったとき、空港を出てすぐに居心地のよさを感じたんだ。
「うん、この場所がどういうふうに回っているのか分かる」って思ったのを覚えてる。いい感覚だった。
— u/One_Vegetable9618(アイルランド)
これに別のアイルランド人も、
北島に飛行機で入ったときでさえ、アイルランドへ飛んでいくときに見る景色と本当によく似ていた。
— u/ForeignHelper(アイルランド)
と返信しています。
数字では説明しにくいものの、「初めて来たのに何となく勝手が分かる」という感覚から似ている国を挙げる人もいました。
ほかにも「遠い親戚」が続々
スレッドには、このほかにもさまざまな組み合わせが登場しました。
アメリカからはオーストラリア。広い国土、連邦制、旧英国植民地、移民の多さなどが挙げられました。
ブラジルとメキシコを「遠い親戚のように感じる」という声もあり、家族、食事、サッカー、音楽、パーティーなどが共通点として並びました。
メキシコ人からは「アイルランドと似ていると読んだことがある」という回答も。家族を重視すること、カトリック文化、人を温かく迎えること、そして「盛大に飲んで騒ぐこと」が理由として挙げられています。
グリーンランドからは、カナダ北部のヌナブト準州という回答もありました。
スレッドでは、こうした『遠い親戚』のような組み合わせがほかにも数多く挙がっていました。
150件の回答を横断すると、「似ている」を測る5つの物差しが見えてきた
2026年10月2日時点で、返信を除く、元の質問に直接寄せられた回答150件を確認しました。国名だけを挙げる回答や「似た国はない」という回答もありますが、理由が語られている回答を横断して見ると、「似ている」と感じる基準には大きく5つの見方が繰り返し登場していました。
一つ目は、人柄や人付き合いです。スウェーデンと日本の「静かさ」「礼儀」、韓国とメキシコの感情表現、ブラジルとメキシコの社交性、イラクから見たイタリアの身ぶりや話し声など、人の振る舞いを手がかりにする回答です。
二つ目は、食事や家族、日々の過ごし方。クロアチアとアルゼンチンでは家族の集まりやバーベキュー、インドネシアとメキシコではインドネシアの唐辛子調味料「サンバル」とメキシコの「サルサ」、メキシコとアイルランドでは家族を重視することやカトリック文化などが挙げられていました。
三つ目は、地理や自然環境です。ノルウェーとチリの細長い国土やフィヨルド、アイスランドとニュージーランドの島、火山、地熱、羊といった比較がその例です。文化が似ているというより、地図や風景を見て「仲間」を感じるタイプです。
四つ目は、歴史・政治・言語・宗教など、社会が形づくられてきた背景です。別のアルゼンチン人参加者は、20世紀のイタリア移民が国に大きな影響を与え、イタリア系の祖先を持たない自分の日常語にもイタリア語由来の表現が残っていると説明していました。また、フィンランドと中国北部を比べた回答では、回答者が厳しい冬や歴史的な苦難、家族の重要性、人口の高齢化、外国による占領・植民地期などを共通点として挙げています。
そして五つ目が、実際に訪れたときの感覚です。アイルランド人がニュージーランドで「この場所がどう動くのか分かる」と感じた例だけでなく、アメリカ人がフィリピンを訪れ、現地の人と話していると「アメリカ人と話していないことを忘れるほどだった」と振り返る回答もありました。ノルウェー人が北京を訪れ、大きなカルチャーショックを予想していたのに、むしろ人々を「黒髪のノルウェー人」のように感じたという例もあります。
もちろん、一つの回答が複数にまたがることもあります。食文化と宗教を一緒に挙げたり、地形と歴史をまとめて比べたりしているため、これはランキングではなく、150件を読んで見えてきた比較の「物差し」の整理です。
こうして見ると、同じ「似ている国は?」という質問に答えていても、参加者が見ているものはかなり違います。
ある人は人の振る舞いを見ている。ある人は食卓を見ている。ある人は国の形を見ている。そして別の人は、歴史や、現地に立ったときの居心地を見ています。
遠く離れた国同士に意外な共通点が次々と見つかったのは、「似ている」の基準そのものが一つではなかったからとも言えそうです。
「似ているところだけ選んでいるのでは?」というツッコミも
もちろん、こうした比較そのものに疑問を投げかける人もいました。
スウェーデンと日本の比較には、
それって、国に結びつけられているステレオタイプが似ているっていう意味じゃない?
このリスト以外では、この二つの国にほとんど共通点はないと思う。日本が好きだから、似ているところだけ選んでいるように見える。
— u/ubulerbu(フランス)
という反論が寄せられています。
さらに別の参加者からは、
正直、このスレッド全体が、ものすごく遠回りな自画自賛になってる気がする。
— u/cant_get_fooledagain(中国)
という一言も。
確かに、家族を大切にする、食べ物が好き、自然が豊か、サッカーが盛ん、といった特徴なら多くの国に当てはまります。「似ているところ」を探す以上、都合のいい共通点を拾っている部分はありそうです。
150件の回答を見ても、「似ている」の基準は人柄から食卓、地形、歴史、旅先での感覚までばらばらでした。
「どの国と本当に似ているか」という客観的な答えよりも、「自分たちの国らしさとは何だと思っているのか」が、回答の一つ一つから透けて見えてきます。
遠く離れた場所に、自分たちと少し似た国を見つける。そんな遊び方で世界を見ると、地図もいつもとは少し違って見えるのかもしれません。
参考情報と翻訳元
- Reddit「What is a country from far away that you are very similar to?」 — r/AskTheWorld(世界各国の参加者が質問・回答するRedditコミュニティ)の元スレッドとコメントを翻訳・整理。2026年10月2日時点で、元の質問に直接寄せられた回答150件を確認。返信は別の回答として数えていません。


コメント