『ちいかわ』はなぜ海外でも人気? 海外ファンが「かわいい」の先で好きになったもの

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(最終更新:2026年9月8日)

日本へ何度も旅行し、そのたびに『ちいかわ』を目にしていたのに、ずっとファンではなかった人がいます。

海外掲示板Redditのちいかわコミュニティで、「どうやってちいかわにハマった?」というスレッド(What got you in to Chiikawa?)を立てた人です。

「みんなは、どうやってちいかわのファンになったの?

わたしは日本によく旅行するから、コンビニや飲食店とのコラボ、バス、ガチャ、壁一面のポスターとか、前からちいかわを本当にあちこちで見かけてたの。ゲームセンターのクレーンゲームでぬいぐるみを取ったこともあったから、存在も人気なのも知ってたし、見た目もかわいいと思ってた。でも、ずっと子ども向けのアニメだと思ってて、特に興味は湧かなかった。

でも今年8月にまた日本へ来た時、彼氏がちいかわの映画に連れて行ってくれて、一瞬で大好きになっちゃった。映画を見てからは、全部がドミノ倒しみたいに始まった。

Netflixでアニメを見始めて、気づいたら歌を口ずさんでるし、映画の思い出にグッズが欲しくなって、ちいかわらんどでくりまんじゅうのキーホルダーを買った。

くりまんじゅうは、食べたり飲んだりしながらのんびり生きてる感じが好きで、一番好きなキャラクターになった(笑)。その後はもっとくりまんじゅうのぬいぐるみが欲しくなって、それが他のキャラクターのグッズまで集めるようになっていった。

ちいかわカフェやちいかわベーカリーを予約したり、くら寿司のちいかわコラボにも行った。

外出するたびに、新しいちいかわグッズを持って帰ってくる。その時の、彼氏が帰宅するたびに新しいちいかわのぬいぐるみが増えてる時の反応よ(笑)。

だから、みんながどうやってちいかわを好きになったのか知りたい!」

日本であれだけ見かけていたのに、その時は特に興味がなかった。それが映画を一本見たことから、アニメ、キャラクター、グッズへと一気につながっています。

最初は「かわいいキャラクター」だったものが、作品に触れた後では別のものに見えているようです。

では、海外で最初に届いている『ちいかわ』と、実際にファンになった人たちが好きだと語る『ちいかわ』は、同じなのでしょうか。

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先に知ったのは、作品ではなく「かわいい姿」

『ちいかわ』の海外展開は、すでにかなり広がっています。

スマートフォンゲーム『ちいかわぽけっと』は2025年3月、日本、韓国、台湾、香港、マカオ、タイ、アメリカなどを含む世界43の国・地域でサービスを開始し、事前登録者数は230万人を突破しました。台湾・台北には2025年末に公式常設店「CHIIKAWA SHOP in TAIPEI」もオープンしています。

地域によって広がり方には差があるものの、『ちいかわ』はすでに日本国内だけで完結したキャラクターではありません。

ただ、Redditでファンになったきっかけを尋ねたスレッドを見ていくと、海外の人が最初に触れているものは、必ずしもアニメや漫画ではありませんでした。

Discordの絵文字、TikTok、YouTube、X、日本旅行、MINISOの商品。キャラクターの姿だけを先に知ったという話がいくつも出てきます。

その違いがよく表れていたのが、海外で人気のYouTuber、Jaiden Animationsをきっかけにした人のコメントです。

「それ以前にもどこかで見てたかもしれないけど、ちいかわをはっきり“認識した”のは1か月くらい前のJaiden Animationsだった。でも、ファンになったのは英訳された漫画を見つけて、ほとんど全部読み尽くしてから。それで完全にハマっちゃった :3」

本人自身が、「認識した」と「ファンになった」を分けています。

MINISO(中国発の雑貨チェーン)でうさぎの商品を見つけた人は、さらに順番が逆でした。

「初めてMINISOに行った時、うさぎのネックピローを見つけて買った。単純にキャラクターがかわいいと思ったからね。それから、これって何のキャラクターなんだろうって調べて、今では完全に沼にハマってるよ。」

作品を見て、キャラクターを好きになって、グッズを買ったのではありません。

先に「かわいい」と思って商品を買い、その後で元の作品を調べています。

日本旅行中にちいかわを知った人にも似た体験がありました。

「日本旅行中、メインの3人を本当にどこでも見かけた。最初はただのかわいいマスコットキャラクターだと思ってた。クレーンゲームで『泣いちゃった!』ぬいぐるみに夢中になったんだけど、30回くらいやっても取れなくて、帰国後に必死で検索してたら漫画にたどり着いたってわけ ^_^」

こうした話だけを見ると、海外では「かわいいキャラクター」として先に知り、そこから作品へ入る人がいることが分かります。

ところが、面白いのはその先でした。

実際に作品を好きになった人たちは、「かわいい」だけを理由に挙げているわけではありません。

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「かわいい。それだけ」だったのに、語ることが変わっていく

Redditには、初めてアニメを見た時の反応をそのまま投稿した人がいます。

それまで姉妹からちいかわの話を聞き、MINISOでハチワレのヘッドレストまで買っていたそうです。

「今年、姉妹がちいかわの話をよくしてたんだよ。その流れで一人にはちいかわのぬいぐるみ、自分にはMINISOでハチワレのヘッドレストを何となく買った。

で、今ちょうど初めてアニメを見始めたんだけど、ちいかわと呪いの杖のところで泣きそうになってる。

これは最高だね。今なら分かる。」

「今なら分かる」。

それまで人気のキャラクターとして周囲に存在していたものが、作品を見たところで初めて本人の中でもつながったようです。

別のRedditスレッドでは、その変化をもっと具体的に語っている人がいました。

「そう! 最初は適当に流れてきたクリップを見て、『この子たちかわいいなぁ』って思うだけだった。本当にそれだけ。でも漫画やアニメを見始めて、ストーリーを追うようになったら、すごく泣くようになっちゃった。

キャラクターにかなり愛着が湧いたのもあると思うけど、あの子たちが直面する悩みってすごく現実的なんだよね。それに子どもっぽく描かれてるから、こんなつらい目に遭う必要なんてない小さな子たちが、大変なことを経験してるように見える。

ちいかわが舞台に立つのを怖がって、家でパジャマパーティーズのダンスを練習してた時とか、ハチワレが資格試験に受かって複雑な気持ちになって、ご飯を食べられなくなった時とか、本当に泣いたよ。

今でも、ちいかわが、うさぎの一部が変化してしまう夢を見る初期の回を見返すと、震えてるうさぎの表情に胸をえぐられる。」

最初に出てきた感想は、「かわいい。それだけ」。

ところが本編を追った後に語っているのは、舞台を怖がることや、試験の結果、友達との間で生まれる複雑な気持ちです。

好きなキャラクターについて話す時にも、同じ変化が見えてきます。

Redditの「なぜそのキャラクターが一番好きなの?」というスレッドでは、ある人がちいかわに共感する理由をこう書いていました。

「お気に入りが二人いて、今でもちいかわとポシェットの鎧さんのどっちにするか決められない。

ポシェットの鎧さんについては、最初からそれを目指してたわけじゃないのに、何かクリエイティブなものを作って、それが評価されたり成功したりするところにすごく共感する。

ちいかわについては、一生懸命やっても必ずうまくいくわけじゃないこと、目標があるのに周りの人だけが先へ進んでいくように感じること、それでもめげないところにすごく共感する。

デザインなら、この二人の中ではちいかわの方が好きかな。自分としては描いてて楽しいし。」

ここには「かわいいから好き」という説明だけでは出てこないものがあります。

一生懸命やっているのにうまくいかない。自分だけが取り残されているように感じる。それでもまた続ける。

キャラクターの見た目ではなく、その経験に自分を重ねています。

うさぎについても同じでした。

「この作品にハマったきっかけは、うさぎがかわいくてキーホルダーを買ったこと。

うさぎってかなりめちゃくちゃなんだけど、とにかく自分のやり方で突き進んでるところが好き。それでも大事な場面では、ちいかわをちゃんと気遣うところも見せるんだよね。

モモンガが何をしてても、うさぎが全然動じないところもすごく好き。

でも作品を知れば知るほど、登場人物みんなが好きになってきちゃった。特にくりまんじゅう。自分もお酒を飲んで食べてばっかりだからね。」

入口は「うさぎがかわいいからキーホルダーを買った」。

ところが、後から語っているのは自由奔放な性格や、ちいかわへの気遣いです。

海外へ最初に届きやすいのは、グッズや短い動画でも伝わる「かわいい姿」。

でも本編まで入ったファンが話し始めると、失敗、不安、友情、性格といった、見た目だけでは分からない部分が前に出てきます。

ここに、最初に届く『ちいかわ』と、後から好きになる『ちいかわ』の少し面白いズレがあります。

「かわいい+ダーク」でも、まだ少し足りない

『ちいかわ』の魅力については、かわいい見た目と、ときどき現れる不穏さや厳しい世界とのギャップがよく語られます。

実際、海外ファンにも「思っていたより暗かった」と驚く人はいます。

ただ、今回のコメントを読んでいると、「かわいいのにダークだから面白い」だけでは、深くハマった人が語っていることを拾いきれません。

その変化が、単なるキャラクターへの愛着を超えている人もいました。

Redditの「ちいかわにハマって1年、思ったこと」という投稿のコメント欄には、つらい時期に偶然ちいかわと出会った人の話があります。

「自分も同じような経験だった。去年は自分にとってつらい年で、何となくスクロールしてた時に偶然ちいかわを見つけた。最初に触れたのはパジャマパーティーズ編だった。

キャラクターはかわいくてシンプルに見えるけど、あの世界には悲しさや不公平さ、危険もある。でも、ちいかわを中心に、みんながそういうものにどう向き合って、それでも小さなことを楽しんでるのか。そこに完全に惹かれて、アニメにハマった。

あの時の自分には、ちいかわが必要だったんだと思う。問題にどう向き合うかとか、日々のどんな小さなことにもありがたさを感じることとか、そういう意味で少しだけつらさを和らげてくれた気がする。

ちいかわは、自分の中にあった感情の詰まりみたいなものにも助けになった。いくつかの話を見てたくさん泣いたけど、自分にはそれが必要だった。だから、ちいかわを作ってくれたナガノさんには、ずっと感謝すると思う。」

このコメントで印象に残るのは、「悲しさ」「不公平さ」「危険」があるという部分だけではありません。

その中でもキャラクターたちが小さなことを楽しみながら過ごしているところに、この人は惹かれています。

厳しい世界そのものではなく、そこでどう暮らしているかを見ているわけです。

最初は、かわいいから目に留まる。

作品を見ると、思っていたより厳しい世界に驚く。

さらに見続けると、失敗してもまた挑戦することや、友達を気にかけること、食べ物を楽しむことのような小さな部分にまで愛着が生まれていく。

そう考えると、「かわいい+ダーク」は入口を説明するには分かりやすくても、その後も『ちいかわ』を好きでいる理由までは説明しきれないのかもしれません。

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では、海外ファンは日本のファンと違うのか

ここまで読むと、「海外では日本とは違うところが評価されているのでは」と考えたくなります。

ところが、日本、英語圏、台湾のファン投稿を見比べてみると、その印象も少し変わります。

英語圏でも、推しの性格について語る人がいます。失敗や不安に自分を重ねる人がいる。原作の続きを追い、物語やキャラクターについて考察する人もいます。

台湾でも、映画や原作について話し、入場特典やグッズを集め、日本へ「ちい活」に出かけるファンがいます。

日本のファンにも、推しを語り、グッズを集め、細かな描写を振り返りながら作品を楽しむ人がいます。

もちろん、これだけで各地域のファンが同じだとは言えません。

ただ、今回確認した投稿の範囲では、作品を深く好きになった後に何を楽しんでいるのかは、思っていたほど大きな違いは見えませんでした。

海外だから、まったく別の理由でちいかわを好きになっているわけではない。

では、海外ならではの違いはどこにあるのでしょうか。

違っていたのは、「好きになる理由」より入口だった

ここで、最初に見てきた話へ戻ります。

日本旅行で初めて知った人。

MINISOでうさぎを買った人。

YouTubeやTikTokで存在を知った人。

グッズや短い映像の方が、漫画やアニメより先に届いていた人がいました。

さらに、作品に興味を持ってからの環境も地域によって違います。

Redditのちいかわコミュニティには、「世界のほかの地域でファンをやるのは大変」というスレッドもあります。

そこでは、こんな声が出ていました。

「ちょうどこのことを友達に愚痴ってたんだよ。日本の外だと、特に合法的に作品を見るのが難しいせいで、ちいかわファンなのにアニメや漫画を見たことがない人に、自分はかなりたくさん会ってきた。これって結構すごいことだと思う。

映画も早くこっちに来てほしい…。うらやましくてつらい 🤧💔」

「ちいかわファンなのに、アニメや漫画を見たことがない」。

少し不思議にも聞こえますが、ここまでの話と合わせると理解しやすくなります。

キャラクターは先に届く。

商品もある。SNSで短い映像も流れてくる。

けれど、地域によっては、その後に漫画やアニメ、映画まで同じように追えるとは限りません。

一方で台湾のように、映画が日本と近い時期に公開され、常設店や展示まで展開されている地域もあります。

「海外」と一言でまとめることはできません。

それでも今回の投稿を比べる限り、海外ファンと日本のファンで大きく違って見えたのは、好きになった後に何を感じるかより、そこへたどり着くまでの入口や、作品に触れられる環境の方でした。

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2026年の映画も、新しい入口になっている

Watched the Chiikawa movie today. No joke, this is how it feels like
by u/D3ysteampunk in chiikawa_

その「入口」は今も増えています。

2026年7月24日に公開された『映画ちいかわ 人魚の島のひみつ』にも、作品をほとんど知らない状態で足を運んだ人がいました。

Redditで「映画どうだった?」と感想を尋ねるスレッドには、こんなコメントがあります。

「今日の午後、この映画を見た。ちいかわについて本当に何も知らなくて、完全に予備知識なしで行った。なんでこのキャラクターがこんなに人気なのか知りたかったんだよ。

でも、何なんだよこれ??? 途中からかなり重くて不穏な展開になった…。」

別の投稿では、妹に付き添って映画を見た人がこう話しています。

「これまでちいかわは見たことなかった。せいぜい短いクリップを1、2本見たくらい。絵柄はちょっとかわいいなとは思ってた。

今日、妹に付き添って映画を見たんだけど、思っていた以上に重くてシリアスな内容だった。この映画で一気に興味が湧いて、シリーズをちゃんと見てみたくなった。」

一人は「なぜこんなに人気なのか」を知りたくて映画館へ行き、もう一人は妹への付き添いでした。

どちらも、作品を見る前から「ちいかわ」という存在自体は知っています。

『人魚の島のひみつ』は『ちいかわ』初の劇場版で、日本では公開3日間で150万8538人を動員し、興行収入22億4033万3500円を記録しました。

この数字自体が海外人気を示すわけではありません。

ただ、Redditを見る限り、映画は既存ファンだけでなく、「キャラクターは知っているけど作品はまだよく知らない」という人が、その先へ進む入口にもなっています。

記事の冒頭で紹介した人も、そうでした。

何度も日本へ旅行し、街でちいかわを見て、ぬいぐるみまで持っていた。それでも本編には興味がなかった人が、映画を見た後には、くりまんじゅうの性格まで好きになっています。

「もっと早く知っていればよかった」

最後に、冒頭の話とよく似た投稿があります。

Redditのちいかわコミュニティに、「もっと早くちいかわを知っていればよかった」というタイトルのスレッドが立っていました。

そこでは、少し前の日本旅行についてこんな体験が語られています。

「2年前、兄弟と日本にいて、ちいかわショップの前に立ってた時のことをよく思い出す。その時は、このかわいいキャラクターたちが誰なのかまだ知らなくて、写真だけ撮って、すごく混んでたからそのまま通り過ぎた。

去年アニメを見始めて、完全にハマった。昔の自分に『グッズ買っとけ!』って言いたい!

もう解決策は、またいつか日本旅行を計画することしかないね 😭」

二年前には、ちいかわショップの前をそのまま通り過ぎた。

今では、また日本へ行く理由の一つになっています。

キャラクターの姿そのものは、二年前から変わっていません。

変わったのは、その向こうに何が見えるかです。

かわいいマスコットだったものに、失敗する姿や不安、友達への気遣い、小さな楽しみが重なっていく。

海外へ最初に届く『ちいかわ』と、その後ファンが好きになっている『ちいかわ』は、少し違っていました。

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