『UFOロボ グレンダイザー』は日本より海外で人気なのか? フランス・イタリア・中東での熱狂

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(最終更新日:2026年10月8日)

2026年8月、海外掲示板Redditのロボットアニメ愛好家コミュニティ「r/Mecha」に、「日本以外の国で特に人気だったロボットアニメは?」という質問が投稿されました。

What mecha shows were really popular in countries other than Japan?
by u/Mysterious-Lawyer-73 in Mecha

さまざまな作品の名前が挙がるなか、何度も登場したのが、1975年に日本で放送された『UFOロボ グレンダイザー』です。

フランスやイタリア、中東では、今も子どもの頃の思い出として語られ、サウジアラビアには高さ33.7メートルもの巨大な像まで建てられています。

なぜ、半世紀前の日本のロボットアニメが、これほど海外で親しまれているのでしょうか。

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実は日本でも大ヒットしていた『グレンダイザー』

『UFOロボ グレンダイザー』は、漫画家・永井豪の『マジンガーZ』『グレートマジンガー』に続く、マジンガーシリーズ第3弾として制作されたロボットアニメです。

故郷のフリード星を侵略され、地球へ逃れてきた王子デューク・フリードが、巨大ロボット「グレンダイザー」に乗って地球を守るために戦います。

日本では1975年10月から1977年2月まで全74話が放送されました。

東映の創立70周年特別寄稿によると、当時の平均視聴率は20.9%。東映自身も「大ヒット」と紹介しています。

海外では「日本ではそれほど成功しなかった作品」という見方もあるようですが、実際には日本でも十分な人気を獲得していました。

ただ、海外での広がり方は少し違っていました。

Redditでは、こんなコメントが寄せられています。

グレンダイザーはスペイン語圏の国々やフランス、アラビア語圏でも大人気だった。

多くの国でロボットアニメへの入り口になった作品だから、日本よりも海外での文化的な影響がずっと大きいんだ。日本でも人気はあったけど、そこではもっと普通のヒット作だった。

— u/ZeroiaSD

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フランスでは「ゴルドラック」として社会現象に

フランスでは1978年7月3日、『Goldorak(ゴルドラック)』という名前で放送が始まりました。

放送されたのは、国営放送アンテーヌ2の子ども向け番組『Récré A2(レクレA2)』です。

過去のテレビ・ラジオ番組などを保存するフランス国立視聴覚研究所(INA)によると、放送は開始直後から子どもたちの間で大きな人気を集め、1979年には劇場公開に合わせてパリの映画館に巨大なゴルドラックのバルーンが飾られるほどでした。

当時の人気を振り返るRedditのコメントにも、その衝撃が表れています。

フランスでは、これが最初に大々的に放送された日本のアニメなんだ。どれほどの衝撃だったか想像できるだろ!

— u/Semido

フランス系カナダ人だけど、ゴルドラックは人生そのものだよ。

— u/slacreddit(フランス系カナダ人)

人気は放送当時だけで終わりませんでした。

2021年にはフランスの作家・漫画家たちによる新作コミック『Goldorak』が出版され、原作者の永井豪が監修・承認した、アニメ最終回の後を描く物語として発表されています。

イタリアでは「子ども時代の衝撃」として記憶される

フランスより少し早い1978年4月4日、イタリアでも放送が始まりました。

イタリアの公共放送Raiの第2チャンネルで『Atlas UFO Robot』というタイトルで放送され、ロボットは『Goldrake(ゴールドレイク)』の名で親しまれました。

Raiは、この作品がイタリアの子ども向けテレビ番組に、美術面でも内容面でも大きな変化をもたらしたと紹介しています。

実際、2026年9月にイタリアのRedditコミュニティ「r/Italia」で、『グレンダイザー』は子ども時代の思い出になっているかという質問が投稿されると、こんな声が集まりました。

遠い1978年の春、初回から見ていたよ。

当時の俺たち子どもは、いつものしゃべる動物が出てくるような、ほのぼのしたアニメに慣れていたから、ほとんど衝撃だった……。

— u/IvorTheEngineDriver

覚えてるに決まってるだろ!

ゴールドレイクとマジンガーZは、70年代の俺たち子どもにとって憧れの存在だったよ。テレビアニメの話だけどね。

— u/wearsAtrenchcoat

うん、覚えてるし、子ども時代の思い出だよ。主題歌のシングルレコード(45回転)もまだ持ってる。「行け、悪を滅ぼせ、行け……」

— u/Old-Election1794

宇宙のハルバードォォォォ!

— u/violencejack9

最後のコメントは、日本版でいう「ダブルハーケン」という、長い柄の両端に大きな刃が付いた武器を使う際の、イタリア版の必殺技の掛け声です。

名前だけでなく、主題歌や攻撃時の叫び声まで強く記憶に残っている様子が伝わってきます。

ちなみに、次のコメントに登場する「アクタルス」は、フランス語版やイタリア語版で使われている、主人公デューク・フリードの名前です。

あの頃、フランス語圏のスイスへ旅行に行ったんだ。滞在先の家でテレビを見ていたら、ゴールドレイクが流れていて……フランス語の吹替だった。

アクタルスが変身するために飛び込んだとき、声優が「ゴルドラーーック!」と叫んだんだよ。そのときの衝撃ときたら。

俺にとっては「ゴールドレーーイク!」という叫び声が、あの声も抑揚も何もかも、世界共通の言葉だと思ってたんだ。

だから何と言われようと、一生ゴールドレイク派だよ。

— u/MrRolandGil

当時の視聴者だけでなく、親の影響で作品を知った若い世代もいます。

2012年生まれだけど、両親のおかげで知ってるよ!!

— u/goofy_silly_nin

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中東ではアラビア語の主題歌まで親しまれた

『グレンダイザー』が特に大きな存在となった地域の一つが中東です。

1979年にレバノンでアラビア語版の放送が始まり、その後1980年代にはシリア、ヨルダン、エジプト、ペルシャ湾沿岸の国々などへ広がりました。

レバノンの研究者カリム・エル・ムフティが2020年に発表した論文では、故郷を失った主人公が侵略者に立ち向かう物語が、当時、戦争や占領を経験していた地域の視聴者の心に響いたと考察されています。

アラビア語吹替の存在も、作品が現地に根づくうえで大きな役割を果たしました。

主題歌を歌ったのは、レバノンの歌手サミー・クラーク。2019年にはサウジアラビアのアニメイベントで、日本のアニメ歌手ささきいさお、水木一郎と共演し、『グレンダイザー』の楽曲などを披露しています。クラークは2022年に亡くなりました。

Redditでも、主題歌への思い入れを語る人がいました。

グレンダイザーは、俺の子ども時代に欠かせない存在なんだ。

アニメって言葉すら知らなかった頃から、それこそ物心ついた頃から、アラビア語吹替のオープニングがずっと頭に残ってる。

『タイガーマスク二世』や『世界名作劇場』のたくさんのアニメと一緒に育ったんだ。

— u/SirePuns

自分はアラブ人だけど、父親が子どもの頃に見ていた番組だったから、俺にも見せてくれたんだ。

あっちではものすごく人気だったらしくて、アラブ人の先生まで昔見ていたって言ってたよ。

— u/M-E-0-W

レバノンのコミュニティでも、懐かしむ声が寄せられていました。

うわー、グレンダイザーなんてもう何年も見てないな。すごく小さい頃に見ていたのを覚えてるよ。

— u/LadyMinecraftMC

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サウジアラビアには高さ33.7メートルの巨大像まで

その人気を目に見える形にしたのが、サウジアラビアの首都リヤドに建設された巨大なグレンダイザー像です。

2022年、娯楽施設「Boulevard World(ブールバード・ワールド)」に高さ33.7メートルの巨大像が設置され、同年11月21日付で「架空のキャラクターをかたどった最大の支柱付き金属製彫像」としてギネス世界記録を達成しました。

さらに2024年には、サウジアラビアのコンテンツ制作会社Manga Productions(マンガ・プロダクションズ)が日本側の関係企業と協力し、新作アニメ『グレンダイザーU』が放送されました。

フランスのゲーム会社が制作し、2023年に海外で発売されたアクションゲーム『UFOロボ グレンダイザー:たとえ我が命つきるとも』でも、海外向けの公式製品情報にはフランス語やイタリア語に加え、アラビア語の音声対応が記載されています。

50年以上前に生まれた作品でありながら、現在も新しい企画が生まれているのです。

英語で検索するだけでは見えてこない人気

これほど各地で親しまれている『グレンダイザー』ですが、英語圏のSNSだけを見ていると、現地のファンの盛り上がりが見えにくいこともあります。

Redditでは、こんな指摘がありました。

フランスではグレンダイザーのことを「Goldorak」と呼んでるんだ。70年代にフランス向けに変えられた名前でね。理由は聞かないでくれ。

だからSNSでグレンダイザーについて投稿するときも、ほとんどは「Goldorak」という名前を使うんだよ。

— u/RandomBaguetteGamer

断言できるけど、Facebookには年配のファンが『グレンダイザーU』について話している投稿が山ほどあるよ。

ただ、彼らは英語話者じゃないんだから、どうしてRedditで大勢見かけると思うんだ?

— u/XF10

フランスでは「Goldorak」、イタリアでは「Goldrake」、アラビア語圏では「جريندايزر」など、国や言語によって異なる名前で親しまれています。

日本語や英語の「Grendizer」だけを検索していては、現地のファンの声にたどり着きにくいこともありそうです。

海外で特別な存在になった理由

『グレンダイザー』は、日本でも平均視聴率20.9%を記録した大ヒット作品でした。

一方、フランスやイタリアでは日本のロボットアニメを広く知るきっかけとなり、中東ではアラビア語吹替や主題歌を通じて、世代を超えて親しまれる存在になりました。

日本と海外のどちらで人気が高かったかを単純に順位づけすることはできませんが、海外では日本とはまた違った文化的な存在感を持つようになったことが、放送史やその後の展開からもうかがえます。

何十年もたった今なお、当時のレコードを大切にしている人がいて、親から子へと作品が受け継がれている。半世紀前のロボットアニメが、国境を越えてこれほど長く親しまれているのは、なかなかすごいことですね。

参考情報と翻訳元

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