「1枚しかないなんて、離婚してくれと言ってるようなもの。」
ノルウェーの人が海外掲示板Redditで、「あなたの国では、カップルが一緒に寝るとき、1枚の掛け布団を共有するのと、それぞれ1枚ずつ使うのと、どちらが一般的?」と尋ねたところ、スウェーデンとデンマークにゆかりのある参加者から、こんな回答が返ってきました。
質問した本人によると、ノルウェーでは2枚が標準的なのだそうです。ここでいう「duvet」は、日本語でいう掛け布団に近いもの。別々のベッドで寝るという話ではなく、同じダブルベッドで寝ながら、1人用の掛け布団を1枚ずつ使うということです。
コメント欄を見てみると、北欧やドイツの参加者からは「なぜわざわざ1枚を共有するの?」という反応が出る一方、アメリカやイギリスなどの参加者からは「2枚という発想がなかった」という声もありました。
同じベッドで眠るという、ごく日常的なことなのに、その上に何枚の布団を置くかで「当たり前」がきれいに分かれるようです。
同じベッドなのに、掛け布団は一人一枚
英語圏では、同じベッドで寝ながら掛け布団を別々にする方法を「Scandinavian sleep method(スカンジナビアン・スリープ・メソッド)」と呼ぶことがあります。
名前だけ聞くと特別な睡眠法のようですが、やっていることはシンプルで、同じベッドに1人用の掛け布団を2枚並べて、それぞれが自分のものを使います。
**睡眠に関する情報サイトSleep Foundationでは、**スウェーデン、ノルウェー、デンマークなどで見られる寝方として紹介されており、1枚の大きな掛け布団ではなく、それぞれが1人用のものを使うスタイルと説明されています。
実際、ノルウェーのHotel Alexandraでは、キングサイズのダブルベッドについて「two duvets(掛け布団2枚)」と明記された客室があります。旅行先のホテルで初めてこの光景を見て驚く人がいるのも不思議ではありません。
ところが、ドイツからのコメントを読むと、驚いている方向がまったく逆でした。
「そもそも、なんで1枚だけにするの? 相手が寒がりで夜中に全部持っていったり、単純に共有するのが嫌いだったり、寝ている間にいろいろ動いたりしたら、ずっと布団を取られるなんてイライラすると思う。」
— u/JiminieKookie123(ドイツ)
さらに別のドイツ人も、
「これが標準だよ。ホテルに大きな掛け布団が1枚しかないと嫌になる。」
— u/knightriderin(ドイツ)
と書いています。
1枚を共有する側からすると「2枚も必要なの?」ですが、2枚に慣れている側からすると「なぜ1枚を奪い合う必要があるの?」になるわけです。
「布団を取られる」がなくなる
2枚派のコメントで何度も出てきたのが、寝ている間の「布団泥棒」問題でした。
アメリカのある人は、パートナーと別々の掛け物を使っている理由をこう説明しています。
「こっちでは一般的じゃないけど、私とパートナーは掛け物を別々にしてる。彼は寝相がめちゃくちゃだから、自分の掛け物と格闘してもらった方が、私は自分の好きな状態でちゃんとかぶっていられる。それに私は寝ているとものすごく暑くなるのに、同じ時間に彼はしっかりくるまってたりする。私は私の好きな掛け方が必要だし、彼には彼の好きな掛け方が必要。別々にした方が、私たちには楽なんだ。」
— u/mindgardening(アメリカ)
ここには「布団を取られない」以外の理由もあります。同じ部屋、同じベッドにいても、暑がりの人と寒がりの人では快適な掛け布団が違います。
**Sleep Foundationや、アメリカの医療機関Cleveland Clinicも、**別々の掛け布団を使う方法について、それぞれが自分に合った厚さや温度環境を選びやすくなり、相手の寝返りや布団の引っ張り合いによる邪魔を減らせる可能性があると説明しています。
ただし、Cleveland Clinicによると、Scandinavian sleep methodそのものの効果を直接調べた研究は、まだありません。 「2枚にすれば睡眠の質が上がる」と医学的に証明されているわけではなく、それぞれの寝方に合うかどうかは別の話です。
つまり、カップルだから寝具まで同じものを使うのではなく、ベッドは共有するけれど、寝る環境はそれぞれに合わせるという考え方です。
ノルウェーへ移り住んだ人の中には、すっかり2枚派へ転向した人もいました。
「前は1枚だったけど、ノルウェーに引っ越してから別々の掛け布団を使うようになった。もう元には戻れない。本当に最高。」
— u/Pointy_in_Time
でも、どうやって一緒にくっついて寝るの?
ここまで聞くと2枚の方が合理的にも思えてきますが、1枚派からは当然の疑問も出てきます。
「別々の掛け布団で、どうやって布団の中で抱き合ったり、くっついたりするの???」
— u/fedaykin21(アルゼンチン)
これに対する南アフリカからの返信は、
「それは残りの16時間ですればいい。」
— u/Cuiter(南アフリカ)
なかなか割り切っています。
一方で、「寝るまでは1枚を共有して、眠るときに分かれる」「2枚を少し重ねればいい」といった回答もありました。
それでも、1枚派にとって「同じ布団に入ること」には単なる防寒以上の意味があるようです。イギリスからは、1枚の方が布団の中で寄り添いやすいというコメントがあり、アメリカでも「2枚を試したけれど、むしろ嫌だった」という人がいました。
「夫と2枚にしてみたことがあるけど、二人ともイライラしてしまった。だから、うちはやっぱり掛け布団1枚。」
— u/sevenwatersiscalling(アメリカ)
2枚にすれば全員が快眠できる、というほど単純でもありません。
「合理的だけど、なんとなく変」に見える
今回のスレッドで少し面白かったのが、2枚方式を初めて知った人の反応です。
アメリカからは、
「同じベッドで2枚使う人がいるなんて考えたこともなかった。でも今聞くと、ものすごく当たり前の解決方法に思える。😬」
— u/GetAwayFrmHerUBitch(アメリカ)
という声がありました。
カナダからも、最初は「社会的にはかなり変わったやり方だ」と驚きながら、「でも実用的で論理的だし、すごく理にかなってる」と認めるコメントが出ています。
逆に、アメリカの別の人は、掛け布団を2枚にすること自体に「関係がうまくいっていないのでは」という印象を持たれることがあると話していました。本人は本当に悪い兆候だと言っているわけではなく、自分の文化では、そういう意味を連想されることがあるという話です。
布団を何枚使うかというだけなのに、そこには「カップルなら同じものを共有するもの」という感覚まで入り込んでいます。
北欧の2枚方式が外から見ると新しい睡眠術のように見える一方、ノルウェーの投稿者にとっては、最初から「これが標準」でした。
そして1枚派には1枚派の理由があり、2枚派には2枚派の理由がある。どちらが快適かは人それぞれですが、少なくとも夜中に掛け布団を引っ張り合っている人にとっては、2枚並べるという方法を一度知ってしまうと、少し気になる選択肢かもしれませんね。
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参考情報と翻訳元
- Reddit「In your country, is it more common for couples to sleep with one shared duvet, or two separate duvets?」 — 世界各地の掛け布団の使い方について尋ねたスレッド。記事内の海外コメントの翻訳元。
- Sleep Foundation「What Is the Scandinavian Sleep Method?」 — 同じベッドで別々の掛け布団を使う「Scandinavian sleep method」の概要や特徴について参考にした資料。
- Cleveland Clinic「The Scandinavian Sleep Method」 — 別々の掛け布団を使う場合の特徴や、現時点ではこの方法そのものを直接検証した研究がないことの確認に使用。
- Hotel Alexandra — ノルウェーのホテルで、キングサイズのダブルベッドに掛け布団2枚を用意している実例の確認に使用。


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