メキシコ国内で何十年も続く麻薬カルテルの支配。
その恐ろしい実態に対して「なぜ政府が取り締まれないのか」という質問が、海外掲示板で大きな議論になっていました。
掲示板内では、単純な善悪では語れない複雑な背景が語られています。今回はその反応をいくつかご紹介してみます。
海外の反応
米、メキシコ金融3社に制裁 麻薬絡みの資金洗浄の疑い
[25日 ロイター] – 米財務省は25日、メキシコを拠点とする金融機関3社との一部取引を禁じる制裁措置を発表した。合成麻薬「フェンタニル」の米国流入に絡んだマネーロンダリング(資金洗浄)に3社が関わった疑い。
財務省傘下の金融犯罪取り締まりネットワーク(FinCEN)が銀行のCIバンコとインテルカム・バンコ、証券会社のベクター・カサ・デル・ボルサを制裁対象に指定。フェンタニル制裁法などの法令に基づく初の制裁となる。 専門家によると、この制裁は比較的小さな金融機関を対象としているものの、銀行間の相互関連性と米国との密接な関係を踏まえれば、メキシコの金融システムに大きな影響を与える可能性がある。
財務省当局者は記者団に対し、FinCENの制裁は同省の他の制裁のように資産を凍結したり、ドル建ての国際取引を全て禁じたりするものではないが、3社のメキシコの拠点と米国との取引は禁止されると語った。米金融システムから締め出すのと似た効果があるとしている。
同省は3社が「メキシコを拠点とする(麻薬)カルテルのために何百万ドルの資金を洗浄し、フェンタニルの原料となる化学物質を調達するための支払いを促進する上で、長年にわたり重要な役割を果たしてきた」と説明した。 メキシコ財務省は声明で、FinCENの調査について連絡を受け、米財務省に3社の違法行為の証拠を示すよう求めたが、決定的な情報は受け取っていないと述べた。
出典:Yahoo!ニュース|米、メキシコ金融3社に制裁 麻薬絡みの資金洗浄の疑い
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なぜメキシコ政府は麻薬カルテルを壊滅させないのだろうか?
海外の反応さん
まあ、政府自体がカルテルだからね。少なくとも、協力関係にはあるよ。
海外の反応さん
メキシコの政治家は暗殺されたくないんだよ。
海外の反応さん
うんうん、じゃあなんで世界中のすべての政府が犯罪を完全に無くさないんだろう?そんなに簡単なことならね。
*質問に対しての皮肉です…。
海外の反応さん
↑秘密裏に行われる犯罪を根絶するのは難しいけど、堂々と行われている犯罪を取り締まるのは簡単なはず。
でもメキシコ政府は、賄賂が横行しているせいで、カルテルのあからさまな行動すら取り締まらなくなってる。簡単にできるはずのことさえやっていないんだ。
海外の反応さん
馬鹿げた質問に、さらにくだらない返答をするなんて想像できるか?
ここは、君には合わないのかもしれないよ。兄弟。
海外の反応さん
たとえ、露骨で大規模な腐敗を無視したとしても、彼らは何らかの形でほぼ完全にカルテルの一部になっている可能性が高い。
そして、そうでないか、または協力しない者は死ぬんだ。
海外の反応さん
↑彼らの商品を買うのをやめて、武器の供給を断つことだって効果があるはずなのにね。
海外の反応さん
↑↑武器メーカーに利益よりも人命を大切にするよう説得するのは、まず無理だと思うぞ。
海外の反応さん
↑メキシコには合法の銃販売店がたった2軒しかない。
海外の反応さん
↑カルテルが合法的に銃を購入してると思うのか?
海外の反応さん
↑アメリカから銃を密輸してるからね。
海外の反応さん
メキシコ大統領も言っていたように、アメリカ人が薬物を買い続けてカルテルに資金を提供する限り、カルテルは法の網をかいくぐるだけの資金と手段をずっと持ち続けるんだ。
海外の反応さん
↑俺たちは、あいつらに銃まで供給してるんだよな。
海外の反応さん
↑↑本当にそう。アメリカに入ってくる人を止めるために莫大な金を使ってるのに、武器の国外流出を防ぐことはほぼ何もしてない。
もし、アメリカ政府が大麻を合法化していれば、需要も減るし、販売にかかる税金で政府にとって貴重な財源にもなるはずなのにね。
その税収の使い道については…。まあ、それだけで一つのスレッドが必要になるんだけどさ。
海外の反応さん
↑↑↑コロラドやワシントンが大麻を合法化して以来、大麻はカルテルの主要な収入源ではなくなったと思うよ。
高品質なアメリカ産の大麻を密輸するほうが、乾燥して質の低いメキシコ産の大麻をアメリカとメキシコの国境で運ぶよりもリスク低いし、品質ももっと良いからね。
海外の反応さん
↑シナリオとしては…、取り締まりが強化されると薬物の供給が減る。
需要は高いまま供給が減るから価格が上がり、結果的にカルテルはもっと儲かることになる。
結論、麻薬戦争はカルテルをより金持ちにしてしまうんだ。
海外の反応さん
↑↑1000個を1つ20ドルで売ると合計20,000ドル。
対して、20個を1つ1,000ドルで売っても合計20,000ドル。
供給が減って価格が500倍に上がっても、実際の利益は変わらない。
海外の反応さん
↑↑俺たちは今でも、アメリカの問題を解決するためにメキシコに全面的な内戦を起こせと求めている。
メキシコ政府は政治的に可能な限りカルテルをコントロールしている。
海外の反応さん
↑アメリカの関与を否定するつもりはないけど、カルテルの存在や成功をアメリカだけのせいにするのは無理があえう。
メキシコ政府や警察、軍隊がものすごく腐敗していて、長い間カルテルの資金源になっているという現実を無視するのはさすがに無茶だ。
海外の反応さん
↑メキシコの腐敗や堕落という問題に向き合うより、アメリカ人を責める方がずっと簡単だもんな。
海外の反応さん
カルテルを壊滅させるのは簡単なことじゃない。
まず、カルテルは非常に強大で、彼らと戦闘を行えば双方に大量の犠牲者が出ることはほぼ確実だ。街に何千もの遺体が積み上げられる事態を、メキシコ政府もカルテルも望んでいない。
次に、カルテルは非常に深く繋がっている。メキシコ政府や警察、軍隊、多くの地元企業にも存在感がある。政治的にカルテルを潰すのは非常に難しく、そうsyれば反乱を招き、事実上の内戦に発展する可能性が高い。
さらに、現在のカルテル戦争に関わる死者の90%以上は、犯罪者同士の争いだと推定されてる。基本的にカルテルは、無差別に一般市民や観光客を攻撃することはなく、純粋な野蛮行為は避けるのが彼らの利益になると理解してる。
そして、カルテルと関係する人々は多い。警察、軍、政治家、企業、さらには地元の従業員までもがカルテルから利益を得ている。麻薬カルテル産業は、経済的に簡単に消滅させられるものではないよ。
海外の反応さん
↑残念ながら、地域によって被害の度合いは大きく異なる。グアダラハラでは、至る所に行方不明者のポスターが貼られている。
メキシコシティに住む友人と話したところ、カルテルのメンバーは、実際に捜している人物に似た人を誘拐したり殺したりして、「処理済み」と上司に報告することがよくあるんだとさ。これは主に抗争やギャング戦争の状況で起こる。
また、機械工など働き手が必要な場合は、彼らを誘拐して強制的に働かせることもあるらしいよ。
海外の反応さん
↑エルサルバドルがそれを成し遂げたなんて、本当にすごいよな。
*エルサルバドルでは、2019年に就任したブケレ大統領が警察と軍の装備を大幅に強化し、ギャングや犯罪組織に対して厳しい取り締まりが行われました。その結果、治安が劇的に改善されています。
海外の反応さん
↑↑エルサルバドルの人口は630万人に対して、メキシコは1億2800万人。
エルサルバドルの面積は約8,000平方マイル、メキシコは約76万平方マイル。
エルサルバドルのGDPは370億ドルで、メキシコは1兆8000億ドル。
これらを無視して、両者を同じように扱えると思うのは誤解を招くだけで、賢明とは言えないね。
海外の反応さん
↑無知で申し訳ないんだけど、カルテルって何らかの形でアメリカから資金提供を受けているってことはないの?
海外の反応さん
↑↑全然、無知なんかじゃないよ。
その質問に現実的に答えられる人はあまりいないと思うけど、可能性は高いだろうね。
海外の反応さん
メキシコのフェリペ・カルデロン大統領は2006年に麻薬カルテルとの戦争を宣言した。
けれど、その後、国内の暴力は激化し、政府は状況を制御することに失敗した。
特に、カルテル同士の抗争は悪化し、一つのカルテルを壊滅させると、その領地をめぐって2つ以上のカルテルが戦争を始めるという悪循環に陥った。
その後の3人の大統領(ペーニャ・ニエト、ロペス・オブラドール、シェインバウム)は融和政策を掲げて選挙戦を戦った。
でも、カルテル壊滅のための大規模な連邦の取り組みを再開することは、選挙であまり支持を得られていない。
海外の反応さん
↑私はエルパソで育ち、2006年に卒業した。
それまではフアレスにランチをしに行ったり、バー巡りをしたりするのは普通のことだった。
高校の同級生たちは毎週金曜に行ってたし、大学生は毎週木曜に通ってた。
本当に、駐車場に車を停めて橋を歩いて渡るだけだったんだ。
でも、2006年の終わりから2007年にかけて、治安に急激な悪化で国境は閉ざされてしまったよ。
海外の反応さん
↑↑同じく、でもこちらはサンディエゴとティフアナ。
うちも2006年頃から行かなくなったよ。
観光で生計を立てていた現地の人たちのことを思うと、本当に気の毒だった。
あの落ち込みはすさまじかったな。
海外の反応さん
↑指摘ありがとね。ぶっちゃけ、数年で4万人も死んでるとか、もはや小さなケンカじゃ済まされないね。ほぼ内戦状態だわ。
アメリカでドラッグが売れ続ける限り、メキシコじゃヤバい奴らが縄張り争いで血みどろの争いをやめるわけないんだよね。
それから、一番ヤバいのは武器のレベルだね。国の軍隊より強いんじゃないかってくらい、ガチな装備を持ってるギャングもいる。
最近じゃジャベリンミサイルとか対空兵器とかまで手に入れてるって噂もあって、こりゃもう「ギャング」なんて軽く言葉じゃ言い表せないよ。
それさけじゃない。笑っちゃうのが、その武器の大半がアメリカで「合法的に」買われてるってこと。
もしアメリカが軍隊送って介入したら、テキサスの辺ぴな田舎にあるガンショップで売った銃で、自分の兵隊が撃たれかねないとかマジで勘弁してほしい。
で、銃規制しようとすると、全米ライフル協会(NRA)が全力でブロックしてくる。政治家もビビって動けない。正直、この話は詰んでると思うよ。
あと、メキシコの政治家が腐ってるのは確かにその通りだけど、身近な人の命がかかってる状況で、正面から立ち向かえる人がどれだけいるかって話だよ。
見て見ぬふりするヤツがいても、そりゃ無理もないね。
海外の反応さん
↑↑なるほど、こういうヤバい事実もあるんだよね。
アメリカだけで去年、フェンタニルが原因で亡くなった人はおよそ10万5千人。
これって、君が言ってた数年間の麻薬戦争の死者数の2.5倍以上なんだよ。
南北戦争とか第二次世界大戦を除けば、こんなに多くの命が失われた戦争や軍事介入はほとんどないんだ。
しかもそれらの戦争は10年以上も続いてたのに。
このままいくと、2030年までにはフェンタニルだけで失う命の数が、歴史上の全ての戦争の死者数の合計を超えちゃうかもしれないって話だ。
本気で問題を解決したいなら、ちゃんと戦わなきゃいけないし、支援もしっかりしなきゃならない。
そうじゃなければ、イギリスのことわざにあるように「冷静に、普段通りにやり続ける」しかないんだろうね。
*冷静に、普段通りにやり続ける(Keep calm and carry on)は、第二次世界大戦中、イギリス政府が国民の士気を保つために作成したポスターの文句で、厳しい状況でも冷静に日常を続けようという意味合いがあります。
海外の反応さん
↑↑↑たしかに、フェンタニル危機は深刻で切実な問題だけど、アメリカ国内で自分たちの責任を見て見ぬふりするべきじゃないよね。
カルテルが広大な地域を支配して、ドラッグの生産や輸送を続けられるのは、暴力を行使する能力が不可欠だもん。
その暴力行為はアメリカの政策が後押ししてる。
海外の反応さん
↑そうだよね、根本的な問題って結局、金の流れだから、そこを何とかしないと何も変わらない。
もし興味あったらドラマの「ナルコス」を観てみると良いよ。ドキュメンタリーじゃないけど、この問題をかなりリアルに描いてるから。
つまり、冷酷で容赦ない大金持ちたちと戦ってるみたいな話なんだよね。
*ナルコス(Narcos)は、アメリカとコロンビア合作で制作された実話を元にしたカルテル絡みの犯罪ドラマです。Netflixで観れます。
海外の反応さん
90年代にシチリアでマフィアを潰そうとしたとき、何が起きたか見てみろよ。裁判官が殺されたんだ。
犯罪組織が政府と同じか、それ以上の資金や権力を持っていたらどこもそうなる。
海外の反応さん
↑実は、自分の親戚に1992年にシチリアのパレルモでマフィアに暗殺された裁判官がいるんだ…。エルネスト・バジーレっていう…。
*エルネスト・バジーレは、1930年代に亡くなったシチリアの建築家らしく、バジーレという裁判官もいないとのこと。ですので、人違いの可能性があります。
海外の反応さん
↑↑あら、それは本当にお気の毒に😢
海外の反応さん
↑それでもイタリア、シチリアはマフィアをちゃんと壊滅させたんだよね。
海外の反応さん
↑↑たぶん、壊滅させたわけじゃなくて、マフィア自身が「もっと穏やかにやれば自分たちの思い通りになる」って学んだんだ。
メキシコではそこが一番の問題で、まだ解決策が見つかっていない。
海外の反応さん
それができないんだよ。
実際、元メキシコ軍人向けに「うちはラーメンなんか食わせないぞ」って、あからさまに求人広告を出してるくらいだ。メキシコ軍が兵士にろくな待遇をしてないってのを逆手に取ってね。
アメリカとメキシコの合同捜査チームが、エスコバルを本気で追い詰めてるとき、彼は「メキシコの国の借金を肩代わりしてやるから見逃してくれ」とまで申し出たんだ。
それくらい、彼の率いるカルテルの資金力は桁違いだったってこと。カルテル全体の収入は、メキシコの正規のGDPをはるかに上回ってるんだよ。
*パブロ・エスコバルは、コロンビア出身の麻薬王で、1980〜90年代に「メデジン・カルテル」を率いて、世界のコカイン取引の約8割を支配していた犯罪者です。さきほど出てきた犯罪ドラマ「ナルコス」の主人公でもあります。
海外の反応さん
↑メキシコ軍だけじゃなく、カルテルは引退したアメリカの特殊部隊員までリクルートして、自分たちの戦力として訓練させてる。
海外の反応さん
結局のところ、原因は腐敗だよ。
以上、なぜメキシコ政府はカルテルを撲滅しないのだろうか?に対する海外の反応でした。
メキシコから密輸されるフェンタニルについて、アメリカではかなり重い社会問題になっているため、アメリカ人の方からの多くのコメントが投稿されていました。未だに、有効な解決策を出していないアメリカ政府に不満を持っている方が多い印象。
アメリカで猛威を奮っている麻薬「フェンタニル」については、こちらの動画がわかりやすく解説しているので、興味があれば御覧ください。
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